「5G対応iPhone SE」が登場すると予測できるワケ アップルが新製品オンラインイベントを告知

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特にテコ入れが必要なのはiPadだ。2022年第1四半期決算(2021年10〜12月)において、iPadは唯一、前年同期比で-13.6%となった。半導体不足の影響で製品の供給が思うように進まなかった原因もあるが、それ以上に根本的な問題は、Macとのカニバリゼーション(自社内競合)が挙げられる。

Macは後述のApple Silicon搭載でバッテリー持続時間が飛躍的に伸びたことからモバイル性能が高まり、そもそものコンピューターとしての自由度がより際立つ結果となった。一方スマートフォンであるiPhoneは大画面化と人々のスマホが前提となる生活の定着によって、映像視聴や一部のクリエイティブな作業も、iPhoneでこなすようになってきた。

このようにMacとiPhoneはそれぞれの製品の競争力向上を通じて、バッテリー持続時間が短いという問題の克服、画面サイズが小さいという欠点の消失が起きた。結果としてiPadは、人々の生活の中で優位性を発揮する場面を失っているのだ。

今回の発表がそうした根本原因の解決に結びつくとは考えにくいが、iPadがそうした課題を抱えている点は共有したい。

ロゴは「スピード」を思わせるが…

今回の招待状は、カラフルなネオン調のグラフィックにアレンジされたアップルロゴが配置されている。スピードやワープを思わせる点は、イベントタイトルである「Peek Performance.」と合致するが、示唆するものはそれだけではなさそうだ。

毎回ロゴのアレンジはあとから答え合わせをすると、発表される製品のイメージやカラーに沿ったものとなっている。今回用いられている色は、ブルー、パープル、ピンク、レッド、オレンジ、イエロー。このカラーリングは、これまでのiPhoneシリーズのカラーリングや2021年に登場したM1搭載の24インチiMacを想起させるが、完全に一致しているわけではない。
例えばiPhone 13やiPhone 13 Proにはパープルの設定がないが、発売されてから半年がたつタイミングでiPhoneの新色とiOSの大型のアップデートを発表しており、新たな色が追加されるシナリオは十分にあり得る。

色が一致しているのがiMacで、こちらは2021年に小型モデルが登場しているため、大型モデル、すなわち27インチモデルのリプレイスが登場し、同様にカラフルなカラー展開になる可能性を示唆する。

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