一方の明代さんは「仕事をバリバリやりたい」タイプだ。今は仕事時間を短くしているが、美容師は年齢を重ねても続けられるので、子育て終了後を楽しみにしている。
補完関係にある明代さんと孝雄さん。最後に、明代さんとは血のつながっていない長女について聞いた。2人が結婚したときにはすでに6歳だった。孝雄さんが最も気を使ったポイントでもある。
「結婚前、明代とは1年ほどうちで半同棲をしました。3人で暮らしてみて、それでもよかったら結婚しようか、と。娘には『お母さんとは呼ばなくていい、一つ屋根の下で暮らす家族なんだから気張らんでいいよ』と伝えました」
現在に至るまで長女は明代さんのことを「明代ちゃん」と呼んでいる。2人の間に弟と妹が生まれたときは、ちょっと難しい時期があったと明代さんは振り返る。
自分は私の子ではないと、夫の祖父母に泣きついた娘
「差別しているつもりはありませんが、年齢が違うので長女だけ叱らなければならないときもあります。自分は私の子ではないと、夫の祖父母に泣きついたこともあったようです。でも、今は落ち着いています」
美容師としての仕事には自信があるので、結婚できなくても何とかなるかなと考えていたという明代さん。子連れの孝雄さんと結婚することになり、「私は妊娠できなくても、すでに一人いるのでラッキー!」と思ったと明かす。結婚という大変化への対応には、これぐらいの自信と楽観が必要なのかもしれない。
「明代との相性は良かったのだと思います。子どもが増えているのがその証拠です。僕の両親は若気の至りで結婚した口ですが、僕たちはお互いに年を重ねてから結婚しました。世の中のことがわかってから子どもを育てるのもいいものですね」
終始マイペースな孝雄さん。愛する子どもたちが巣立ち、明代さんが仕事に完全復帰した暁にはまた変化が訪れるはずだ。孝雄さんはスーパーボランティアのおじさんのように全国を飛び回り、その器用さとエネルギーを他人のために広く使う気がする。明代さんは地元で楽しく働きながら、たまに帰ってくる孝雄さんと程よい距離感で暮らし続けるのだろう。
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