FX(外国為替証拠金取引)がイメージ改善へ新機軸、格安両替サービス始動
外国為替証拠金取引(FX)事業者が“格安”な手数料を武器に、外為両替サービス強化へ乗り出す。
FX大手のマネーパートナーズ(以下、マネパ)が京成電鉄のグループ会社と提携し、2010年度内にも成田空港で海外旅行者向けの外貨両替サービスを始めることがわかった。円から米ドルやユーロへの両替を対象とする方針。現在、最終調整に入っており、11月1日にも発表する。
外貨の両替には通常、手数料が必要。銀行や郵便局で円を米ドルに両替する際には、手数料が1ドル当たり3円近く上乗せされる。これに対してマネパでは従来から口座開設者向けに手数料を同20銭に設定。顧客が利用する外貨預金口座に無料で振り込むサービスなどを提供している。
だが、利用者が外貨を引き出す際に手数料を取られるケースもあり、銀行よりも有利な手数料を設定している金券ショップに比べると、必ずしも割安と言えない面があった。
そこで、新サービスでは顧客がマネパのサイトで事前に両替額や日時などを指定すると、空港内にある京成グループの旅行会社窓口で外貨を受け取れるようにする。同社への業務委託手数料は利用者に負担を求めるとみられるが、それでも全体のコストは低く抑えられそうだ。たとえば、1ドル=80円前提で日本円8万円を米ドルに両替すると1000ドル。
現時点で委託手数料をどの程度にするかは流動的だが、仮に1件500円の定額とした場合、1ドル当たりに換算すれば50銭。両替手数料との合計でも、同70銭の利用者負担で済む計算だ。