機能的品質は当たり前、情緒的品質こそ強めよ--『「日本品質」で世界を制す!』を書いた遠藤功氏(早稲田大学ビジネススクール教授、ローランド・ベルガー会長)に聞く
こういった日本のよさに日本人は気づいていない。この本でそれを「ユージュアル・ジャパン(“普通”の日本)」と表現した。日本人はクールジャパンだけでなく、もっとこれを自覚していい。加えて自信もないことが、今の閉塞感と関係していると思える。
──この本は政府、自治体にとっても教科書になります。
特にサービス品質は行政の品質管理と一緒になる。バランススコアカードは自治体も手掛けているが、品質をどうよくしていくのかと考えたときに、行政サービスを分解しながら、自分たちの能力を向上させていくことは、ビジネス以外でももちろん有用だ。
日本には品質しかない。天然資源があるわけではなく、人で勝負するしかない。そういう意味では、品質は国是。
政治家からも日本品質という言葉がどんどん出てくるといい。
(聞き手:塚田紀史 撮影:田所千代美 =2010年11月6日号)
えんどう・いさお
1956年生まれ。早稲田大学商学部卒業。米ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、ボストン・コンサルティング・グループ、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)、日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンなどを経る。著書に『現場力を鍛える』『見える化』など。
『「日本品質」で世界を制す!』 日本経済新聞出版社 1680円 227ページ
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