いのちの中にある地球 デヴィッド・スズキ著/辻信一訳
「生物多様性」なる言葉とその重要性が、名古屋での国際会議開催を契機にして、多くの人に認知され始めた。年間5万種もの生物が絶滅に追いやられ、地球規模で進むこの「絶滅へのカウントダウン」は、個々の生物種を脅かすだけではない。生態系全体をも飲み込もうとしているという。
表現を変えれば「あらゆる生きものたちは、ただ一枚の“生命の網”を編んでいる。私たち人間も、その動植物や微生物の織りなす壮大な“つづれ織り”の網目の一つにすぎない。いま、地球を包むその網が、人間の豊かな生活のために、引き裂かれつつある。だが、だれもその穴をふさぐ術を知らない」状況なのだ。
「最新こそが最良」との思い込みを捨て、科学主義の限界を知り、伝統文化の中ではぐくまれた知恵を生かすことこそ、この危機に歯止めをかけるのに有効と、カナダ生まれの日系3世で、同国を代表する環境団体の創設者で
ある、生物学者の著者は教える。
日本放送出版協会 1365円
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