マツダ、新型「デミオ」で狙う"飛躍"とは? 日本で巻き返し、世界に打って出る

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小飼社長は「需要そのものを喚起できる商品を国内に投入していく」としており、「クリーンディーゼル」という商品性で差別化を図ったデミオは狙い通りになったともいえる。そしてデミオは、国内だけでなく、「Mazda2」として海外販売でも重責を負う。世界販売目標20万台のうち、7割を海外で売る計画だ。

海外での生産も立ち上がり始めた。9月のタイに続き、10月にはメキシコでも生産を開始。今年1月から新工場を立ち上げたメキシコは、完成車を北米、中南米、欧州に供給する拠点だが、「アクセラ」と「デミオ」のさらなる販売増が期待できることから、今後、生産能力を年間23万台から25万台に増強する。また2015年夏頃から、デミオベースの小型車をトヨタに年間5万台供給する計画で、収益性を一層高める狙いだ。

販売計画は据え置き

マツダは決算発表時に、2014年度の世界販売について、日本と中国でそれぞれ5000台減らしたが、好調な欧州で1万台積み増した結果、過去最高となる142万台(前期比7%増)という従来計画を据え置いた。現在進めている「構造改革プラン」では15年度に、世界販売152万台を目指している。車種を増やして台数を稼ぐのではなく、確実に売れる車を作り、1車種あたりの販売台数を引き上げる方針だ。

そうした中、スカイアクティブ搭載車はこれまで軒並み順調な売れ行きで、台数と収益の両面で世界での成長を支えてきた。今後も、コンパクトSUV(スポーツ多目的車)「CX-3」をはじめとする4車種の投入が続く。マツダのさらなる飛躍は、デミオによる世界展開の成否が大きなカギを握っている。

 

 

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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