里奈さん、なかなか大胆な先生である。ただし、一晩限りの関係にするつもりはなく、良一さんとは週1ペースで会うようになった。
「ダンナさんのほうからいつも誘ってくれましたが、ときどき音信不通になるのです。ほかの女性と会っているんじゃないか、私はやっぱり遊ばれているのではないかと不安になりました」
外観はマッチョな彼の意外な一面
そんなことが半年ほど続き、里奈さんは男友だちに相談をした。アドバイスは、「いいトシなんだからガッツリいかないとダメ。様子見では結婚できないぞ。本気で聞いてみろ!」。
意を決した里奈さんは良一さんに問い質した。ときどき連絡が取れなくなるのはなぜなのか。
「気持ちが病んでしまうと2~3日間は誰とも連絡を取りたくなくなるらしいんです。それを聞いて少し納得しました」
よく聞けば、良一さんは遊び慣れているわけではなかった。出会いの夜は酒の力を借り、勇気を振り絞ってお持ち帰りしたらしい。
「遊び慣れていない証拠に、最初の頃はレディファーストもできませんでした。でも、私が『こんなふうにしてくれたら女の子は喜ぶんだよ』と伝えると、次からちゃんと実践してくれるのです。結婚した今では、私の家事に対して『ありがとう』と言ってくれるようになりました。私が育てたんですよ!」
良一さんは自分より6歳も年下なのだから、最初からスマートなわけはない。勉強好きの里奈さんは、ある講演会で聞いた「男は6歳児と同じ。素直さがあれば育てることができる」という教えを思い出して、気持ちが楽になったと振り返る。
男性の僕としては反論というか補足をしたい。確かに、男は女によって人間的に成長する側面が大きいが、それにも相性やタイミングがあるのだ。「お前に言われたくないよ」と反発してしまう場合もある。一方で、気分が前向きなときの尊敬できる女性からのアドバイスならば、ちょっと厳しい内容でもすんなり聞けたりする。
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