細野豪志氏、「旗揚げ」をした狙いとは? "八方美人"を脱して自らの派閥を結成
――そこで「旗」を掲げたのか。
政党である以上はどういう旗の下に集まっているのか、どういう政策を行おうとするのかを明確にすることは大事だ。さらにそれを実現するために、どういうやり方をするべきかという課題がある。民主党が下野して2年。我々にもしっかりやっていかなければいけないという自覚が芽生えてきた。
いまのところ、党内で大きな政策上の意見の対立は起きてはいない。だがこれからが悩ましくなるだろう。たとえば消費税の問題や安全保障の問題だ。さらに原発の再稼働問題もある。
野党第一党としての見解は当然問われるだろう。選挙に際しても、説明する準備をしておかなければならない。
そういう意味で大きく党内で共有できるのは「多様性」の価値観だと思う。家族のあり方なども多様性を認める方が強い社会をつくることができるし、地方分権も多様性のひとつだ。地方分権は他の野党との選挙協力の柱にもなりうる。
いまの国会でも「地方創生」がテーマになっている。しかし政府が提示する政策は私がこれまで見てきた中でも内容が最も薄いものだ。要するに安倍政権が掲げる「地方創生」には魂が入っていない。
一方で我々が目指すのは個々の自治体が権限を持つ分権型の社会だ。別の表現では地域主権ともいう。日本にもともと存在した社会形態で、伝統にもあっている。具体的内容を野党間で構築できれば、それは大きな柱になる。
既存のシステムでは財政は破たんする
――明治時代に作られた中央集権システムから脱却するということか。
現在の政治システムは約150年前に作られたものだ。これまでの成長社会ではそれはうまく機能したが、これからの少子高齢社会ではそうはいかない。
私は1971年に生まれたが、当時の高齢化率は7%だった。ところがいまは25%で、さらに私が年金を受給する2040年には40%にもなる。
日本は2040年頃までもっとも厳しい時代を迎える。既存のシステムでは財政は破たんしてしまうし、エネルギー危機の問題も深刻化しているだろう。恐ろしいほどの変化の時代を我々は生きている。なんとしてもそれを乗り切り、社会保障を維持しなければならない。私は政治家としてこの問題から逃げるつもりはない。
幸いにも日本社会は背骨がしっかりしている。国民としてのアイデンティティもある。ひとりひとりの国民には奉仕の精神も備わっている。そうした国民の力を生かして、地方ごとにその特徴にあった施策を行うべきだ。
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