世界初!空中にプラズマで絵を描く新技術 <動画>大災害時の情報掲示に期待

拡大
縮小
空気中にプラズマで絵を描く

東京の科学者たちは、世界初と自称する、空中に浮かぶ3Dプロジェクションのデモンストレーションを行った。1秒間に1000回におよぶパルスを発するレーザーが空気中の微粒子を過熱し、空中の特定の位置に誘導することができるプラズマスパークを作り出して、ヒトの目がイメージとして認識する形を作るのである。

空中に浮かぶ蝶の3次元イメージを作り出すには、何百という空気中の微粒子が、スパークを発生するまで、レーザーによって過熱されているのである。東京の科学未来館でベールを脱いだ、この3Dディスプレイ・プロジェクションの制作者たちは、それを世界初だと言う。詳細をみていこう。

空気中の微粒子を熱することで描画

ナレーションは英語です(音量にご注意ください)

彼らの装置は、1秒間に1000回におよぶ赤外パルスレーザーを発する。

そして、ミラーがレーザーを正確に照射することによって、空気中の微粒子を熱し、ヒトの目がイメージとして認識できるような一連のスパークを発生させるのである。

3Dディスプレイ・プロジェクション共同開発者の浅野明氏は、1995年の阪神大震災によって、通常のインフラが機能しなくなった際に、市民に重要情報をプロジェクションする方法として、そのアイデアを発展させることに駆り立てられたのである。「私たちは、拡声器から送られる音声情報と視覚情報を組み合わせることができれば、危機的状況の際に、人々が常に情報を把握することができ、二次的災害を減らすことができると考えていました。そして、文字をどこに表示することができるかと思案していたのですが、空中に表示すれば、誰もがそれを見ることができると確信したのです。そして、このプロジェクトがスタートしたのです」。

3Dディスプレイが投影するイメージは、まだ初歩的な段階である。しかし、浅野氏と共同開発者の木村秀尉氏は、技術が進歩するに従って、その品質は向上すると言う。彼らは、装置サイズの小型化に取り組んでおり、いつの日か、それが手のひらサイズほど小さくなり、情報を必要とする人々に迅速に伝えることを期待している。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT