「クールジャパン」、本来は何をするべきか

カンヌ「MIPCOM2014」で聞いた生の声

欧米へのドラマコンテンツ売り込みの難しさは、次に紹介するエピソードからも伝わってくるだろう。MIPCOMでは、Fresh TVというスクリーニングイベントで新規に売り込まれる番組を特集しているが、ある年、日本のドラマを欧米バイヤーに売り込むために各テレビ局一押しのドラマをまとめ、カンヌ会場内のもっとも大きなシアターで上映した。

その日のFresh TVは午前中が欧州テレビ局製作のドラマ、午後が日本ドラマという構成だったが、午前中は立ち見が出るほどの盛況だったのに対し、午後はガラガラだった。日本人関係者ばかりが目立つ、実に惨憺たる状況だったという。

前出の民放連・斎藤氏は「西洋人から見て、外観が自分たちとは異なる日本人が演じているという理由もあるだろうが、文化的なギャップも大きい。日本ドラマの良さを感じてもらうには、まず日本という国を理解してもらう必要がある。しかし、すべての番組バイヤーに日本を理解してもらうのは不可能だ」と話す。

Japan Drama Festivalとは?

そこで民放連が主催し、MIPCOM公式プログラムとして組み込まれているのが、Japan Drama Festivalというイベントである。Japan Drama Festivalは一見すると、とても奇妙なイベントだ。NHKを含むMIPCOMに参加している日本のテレビ局が、それぞれオリジナルのドラマ番組をノミネート。それを15人の外国人審査員が評価し、グランプリを選ぶ。つまり、自分たち自身で日本ドラマをノミネートし、自分たち自身で表彰するのである。なんとも奇妙な賞なのだが、実は欧米ドラマ市場への売り込みに不可欠な”日本と日本文化への理解”を得るために始めたのだという。

「放映料などの話もありますが、アジア向けの番組販売は以前からそれなりに動いている市場です。しかし、欧米のバイヤーは日本の番組に見向きもしません。コンテンツとしての善し悪しの前に、そもそも見てもらえないというのが実態。そこで、世界的にも名が知られているバイヤーに審査員を依頼し、日本ドラマを審査してもらう。業界には数多くのバイヤーがいますが、核となる人物はそう多くありません。そこで15人に絞って審査名目で見てもらい、表彰パーティーなどを通じて作り手側とも交流してもらい、少しでも興味を持ってもらおうと考えて実施しています」(斎藤氏)。

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