190㎝"小柄"なNBA選手が「歴代最高」になった訳 ノイズを無視して重要なことに集中するには?

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人の存在は、大きな力を持つ。全身全霊でその場にいるとき、そして全力で相手に向き合うとき、私たちの存在自体が、相手に予想もしないほどのインパクトを与えることがある。人がそこに「いる」ことは、時に魔法のような影響力を持つのだ。

カンファレンスやパーティーの場で、私はよく人々に質問する。

これまでの人生で、誰かが全力でそばにいてくれた体験はあるだろうか。

それは、ひとことで言い表すなら、いったいどんな感じだったか。

人々から返ってくる言葉の豊かさと力に、私はしばしば圧倒される。

ありがたい感じ。特別な感じ。価値のある感じ。充実した感じ。重要な感じ。新鮮な感じ。穏やかな感じ。すばらしい感じ。わかってもらえた感じ。誠実な感じ。輝かしい感じ。つながっている感じ。親密な感じ。すがすがしい感じ。あたたかい感じ。力強い感じ。静かな感じ。安心する感じ。受け入れられる感じ。きらめく感じ。不思議な感じ。心打たれる感じ。満ち足りた感じ。安らいだ感じ。何ものにも代えがたい感じ。

これらの言葉は、何か奇跡的な出来事を指しているわけではない。人々は、ただ誠実にそこにいてくれた相手のことを語っているのだ。

心を落ち着けて、しっかりと相手に向き合い、耳を傾けよう。それは自分にとっても、相手にとっても、目が開かれるような体験になるはずだ。

判断ではなく傾聴する

友人や家族が悩みを打ち明けてくれたとき、私たちはすぐに結論を出そうとしがちだ。

「こうしたほうがいいよ」「そもそもあれをやるべきじゃなかった」「自分だったら絶対こうするね」

だが、そのように判断を下すのは得策ではない。

「すべき」の話をすると、悩んでいる人は自分の過ちを責められたような気分になる。すると心が閉ざされ、前向きな話し合いができなくなってしまう。

さらに、他人の意見は本人がじっくり考えるためのスペースを奪い、自分で結論を出すことを妨げる。

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