将来に絶望する若者に知ってほしい幸福の捉え方 「未来があることは不幸」と考えないで

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B:どうしたらそんなふうに冷静に、強い気持ちを持ち続けられるのでしょう。悪いことをしたはずの政治家が裁かれないニュースを聞くと、どんなに頑張っても正直者が報われない、頑張っている人が報われないという気持ちになります。

――でも、自分がバカを見たくないからと自己保身に走り、将来出世することを狙って不正に手を染めても、まったく良心の呵責(かしゃく)もないような人にはなりたくないと思いませんか? 自己保身のために、世の中の悪を見逃していいわけはない。

データの改竄(かいざん)を指示され、良心の呵責に耐えられず、命を絶たれた方がおられました。そのような人の不幸の始まりは、上司に逆らおうと決めた時、自分を支持してくれる人が誰もいないと思ってしまうほどに、追い詰められたところにあります。

先にもいいましたが、不正に抗う人を支持する人はいるはずなのです。そういう意味で、連帯感を持つこと、人と人が結びついていると思えることが必要です。

「私」は世の中を変えられる

――アドラーは、共同体というのは家族という単位からその果ては惑星にまで広がるといっています。そのような、非常に広い共同体のことをイメージしていますし、生物だけではなく、無生物も含めます。さらに現在の人だけではなく、未来の人まで含めています。

そのように、共同体は広いものですが、最初の単位は「私」と「あなた」です。何がいいたいかというと、共同体を「私」が変える力があるということです。

「私」は国家に受動的に属しているのではありません。国家という共同体の一員であるということは、「私」は国家を変える力を持っているということです。だから声をあげないといけない。

これは若い人に限らず、大人も同じですね。大人も自分の力を過小評価している。若い人にはまず選挙に行ってほしいです。若い人が選挙に行くようになると、政治家もあなたたちを無視できなくなります。

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