Facebookの事業展開は、グロース(成長)を目標とするフェーズ1と、マネタイズ(収益化)を目標とするフェーズ2の、2段階のプロセスを基本としています。私が就任した2013年5月頃のFacebook Japanはというと、まさにフェーズ2が始まったばかり。営業チームを本格的に立ち上げて組織的にもどんどん大きくなっていく中、グロースもまだまだ重要で、様々な要素のバランスをうまく取りながらビジネスを伸ばしていかなければならないという、実にクリティカルなタイミングでした。
そこに「経営のプロ」として参画するというのは、それだけでも大変やりがいのあることで、さらに、これまで代理店、クライアント、戦略コンサルタント、ブランドエージェンシーと、様々な立場からマーケティングに携わってきた自分の経験をフルに活用できるということもあって決断しました。
さて、Facebookの現状ですが、2004年にアメリカで創業されてから10年、現在は世界で13.5億人以上の月間アクティブユーザー(1カ月間に最低1回はサービスを利用しているユーザー)を抱えています。世界のオンライン人口が30億人弱と言われる中で、その約半数がFacebookを使っているというのは、なかなかすごいことではないでしょうか。
日本に限って言えば、2300万人の月間アクティブユーザーがいて、スマホなどのモバイル端末で利用している人はそのうち2100万人に上ります。日本のオンライン人口は9600万人と言われていますので、4~5人に1人はFacebookを使っている計算です。
フェーズ1については、まだまだ成長の余地はあるものの、おおむね順調だと言えるでしょう。フェーズ2については、Facebookの収益源が広告であることから、広告メディアとしてのFacebookを日本市場に定着させ、育てていくことが当面の課題です。ちなみにFacebookでは「to make the world more open and connected(世界をよりオープンで、よりつながれたものにする)」というミッションを掲げていて、あらゆることが最終的にはこのミッションの達成につながっていきます。
高まる「広告メディア」としての価値
そんなFacebookですが、広告メディアとしては実際のところどうなのでしょうか。
広告メディアの力を計る指標の1つとして、リーチ数があります。ネット広告の場合、利用者数すなわち最大リーチ数なので、Facebookは日本では2300万人にリーチできるということになります。大手新聞の販売部数と比べると、読売956万部、朝日743万部、毎日333万部、日経277万部(日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」2014年1月〜6月朝刊の平均)で、合わせても2309万部なので、Facebookがすでにメディアとしてかなり大きな存在になっていることがわかります。
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