羽生結弦がはまった「リンクの穴」回避が難しい訳 11年世界選手権銀メダリストの小塚崇彦氏が解説

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60メートル×30メートルのリンクに開いた10センチほどの穴。ピンポイントでそこにはまるのは不運以外の何物でもありません。ルールで12人が滑ったら、穴埋めして整氷を行いますし、意図して開けられたわけではありません。

過去の経験を生かしたら、そこに新しい出来事が起きた。1つの苦い記憶からいかに同じことをしないかと貫徹したら、そこに新しい出来事が起きたという事態でした。

順位が大きく上がる可能性も

フィギュアスケート、男子SPの演技を終え、ジャンプを失敗したポイントを触る羽生(撮影・菅敏)

サルコー以外の演技自体は、素晴らしかった昨年末の全日本選手権を思い出させました。ただ、やはり失敗に対して演技構成点も引きずられるので、上位とは大きな差になっています。ジャンプ1つでこれだけ順位が下がる。逆に他選手はフリーでミスできないと感じるでしょう。他選手の動向も含め、順位が大きく上がる可能性はあります。

2位の鍵山選手は団体戦に出場したからこそ、の演技でした。フリーを滑りましたが、先輩の宇野選手がSPの好演技で流れを作ってくれての出番。思い切り滑れて自信になったのでしょう。この日は不安を感じさせませんでした。

3位の宇野選手はジャンプで手をつきましたが、団体戦より点数を上げました。取りこぼしたステップシークエンスやスピンのレベルを3から最高難度4に上げ、他要素でも出来栄え点をコツコツ稼ぎ、相殺しました。

(10年バンクーバー五輪代表、11年世界選手権銀メダリスト)

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