ダニ対策に「ふとんたたき」をする人に欠けた視点 ふとんが早く傷んでダニの侵入が容易になる

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とくに夏など寝汗をかくときは、毎日、ふとん乾燥機をかけるといいと思います。寝る前にかけるとふとんが熱くなって、寝苦しくなるので、朝起きたときにふとんに乾燥機をかける習慣にしておくのはどうでしょうか。

なお、自宅でふとん干しができないときは、コインランドリーでふとんを洗って熱乾燥しても日光干しと同じような効果があります。

ふとん干しとセットになっているのが、ふとんたたきです。今は騒音問題もあるので、都会ではあまりしないかもしれませんが、ふとんを干したら威勢よくふとんをたたく、というのを習慣にしている方も多いのではないでしょうか。はたしてふとんたたきは、ダニを減らすという観点から、効果があるのでしょうか。

たしかにふとんをたたくと、細かいほこりがたくさん出てきます。あの中にはダニの死骸やフンが含まれているので、アレルゲンの軽減に役立っているような気もします。これはふとんたたきのメリットといえるかもしれません。一方で、ふとんたたきのデメリットもあります。

ふとんをたたいても、実際に出ていくほこりは表面のものだけです。いくらたたいても、ふとんの内部にあるほこりまでたたき出すことはできません。

逆に内部のほこりが表面に浮き出てきてしまいます。さらに、ふとんをたたくことで、中の綿の繊維が切れてしまい、ふとんが傷みやすくなります。ダニやアレルゲンを減らせないばかりか、ふとんが早く傷んでしまいます。その行為がふとんへのごみやダニの侵入を容易にして、ダニの増殖にいっそう拍車をかけることにつながります。

そう考えると、ふとんたたきは、労力のわりにはあまり意味がないことがわかります。

掃除機でダニは吸い取れない?

では、掃除機でダニを吸い取るのはどうでしょうか。私は新しいふとんと10年以上たった古いふとんとを使って、掃除機でどれくらいダニが吸い取れるか、調べたことがあります。

1㎡あたり20秒間の間隔で、ふとん全体に掃除機をかけ、それを10回くり返して、集まったほこりの量とダニの数を比べてみました。

最初の1、2回はものすごくたくさんのほこりとダニが集まりました。しかし綿がふっくらした新しいふとんの場合、3、4回くり返すと、ほこりもダニもほとんど見つからなくなりました。

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