株式市場を脅かす「4つのリスク」は解消するのか 2023年までに一時的に20~30%下落の可能性も

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FRB(連邦準備制度理事会)は、インフレ対策のために、政策金利の引き上げと保有資産(主に債券)の売却によるバランスシートの縮小を今年中に行うと見られている。内外の金融系の調査レポートを読むと、利上げの回数、幅、資産縮小の規模や対象などの予想が、ここ1~2カ月の間にずいぶん「タカ派的」なものになった。それだけインフレ圧力が根強いということだろう。

パウエルリスクは解消されるのか?

現在のアメリカは、インフレ率が高く、賃金も活発に上昇していて、日本とは別世界だが、このインフレは、原油や半導体、さらには人手の不足による供給面の要因と、コロナ対策の経済政策の効き過ぎによる需要面の原因の両方によるものだと考えてよかろう。

問題は供給要因だ。このインフレに対して金融の引き締めで立ち向かうとすると、理屈上、不足気味の供給に対して需要が合うところまで経済活動を抑制しないとインフレ抑制を完遂できない可能性がある。

今後、FRBは利上げを行いつつ「インフレと闘っている感」を醸し出すことになるのだろうが、ある程度実体経済にマイナス効果が出るまでファイティングポーズを取り続けなければならないし、FRBがバランスシートを縮小する過程ではいわゆる「カネ余り」が回収されることになる。

ほぼ1年前に、某媒体で対談した証券会社の社長さんは(対談は小幡先生もご一緒だった)、「今はお金の逆バブルなのです」(=お金が余っていて資産の価格が上がった状態)と語っていたが、この流れが逆転するのだ。

相場常識的には、株価の調整は不可避だろう。筆者は、今年、来年程度の期間で直近の高値から2〜3割の下落を覚悟している。ただし、覚悟しても、実際は下落はやってこないかもしれないし、少々下落する局面があっても何らかの要因で急騰に転じるかもしれないし、下落が現実のものとなったときに少なからぬ投資家は怖くて株を買えないだろうし、投資を諦める投資家もいるかもしれない。

多くの投資家には「高値から2、3割程度の下落なら、2、3年待つつもりで我慢するのがいい」とアドバイスする。

いかにも性格が悪いが、1つの「楽しみ」は、金融引き締めの過程で大型のデフォルト(債務不履行)や金融機関の破綻が起こることだ。このときには、パニック的な売りが発生して株価がさらに下落するだろうが、金融政策の転換点になるので「10年に1度クラス」の買いチャンスが到来する公算が大きい。

筆者が、自分の個人資産を自由に運用していいなら(今は、自由に運用していない)、これを楽しみに、1割か2割くらいポジションを落として(注:最大で2割だ!)チャンスを待つかもしれない。もっとも、これとて、8~9割のポジションを我慢して持つために行う気休めのための調整だと言ってよい。

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