株式市場を脅かす「4つのリスク」は解消するのか 2023年までに一時的に20~30%下落の可能性も

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さて、筆者は2回前のこの連載で(文末で有馬記念を予想しているから、昨年末の記事だ)、「2022年に投資家が意識しておくべき4つのリスク」について書いたのだが、記事に書いた4つの要因が現在いずれも顕在化している。

その4つのリスクとは、「オミクロンリスク」「パウエルリスク」「チャイナリスク」「岸田リスク」だった。

チャイナリスクとして指摘したのは、ロシアとウクライナとの軍事的衝突が起こった時に大陸中国と台湾との間でも紛争が起こるかもしれない「地政学的リスク」だが、目下、ロシアとウクライナの緊張が高まっている。

チャイナリスクを地政学的リスクと読み替えるなら、4つのリスクは、今年に入ってからいずれも何らかの形で登場している。

「オミクロンリスク」はどうなる?

 オミクロン株の感染力は噂に違わぬ強さだ。一方、感染者が、重症化、死亡に至る確率は小さい。この状況でどうするといいのかについては、世論が二分されていて、両者が和解することは難しそうだ。

これまでに発表された世論調査では、4割くらいが(A)「現状の対策で妥当」と思い、(B)3割くらいが「もっと強い対策を」と考え、(C)2割に満たないくらいの人が「対策はもっと緩いほうがいい」と思っているようだ。(A)の人たちは流動的だとしても、(B)と(C)の人々の溝は深い。

このままなら、「躊躇なく緊急事態宣言へ」という対策が世論的にはウケそうだが、国民の意見は流動的なので、岸田首相も小池百合子都知事のような自治体の首長も「自分では決めるリスクを取りたくない」と思っている状況のようだ。

この問題は、「個々の人や店や医者などが、それぞれ自分で行動を選択できるようにすること」が望ましい解答であるように思うが、最適解に至ることは現在の日本社会には無理だろう。多くの人が、自由な自己決定に不慣れだし、他人の自由な行動には嫉妬するからである。

緊急事態宣言を出したり、そうはならなくてもオミクロン株の感染者や濃厚接触者とされた人が活動を制約されたりすることの経済へのマイナス効果が発生しそうだ。

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