「第6波でコロナ感染の私」が肌で感じた深刻実態 1月22日に陽性判明後、東京都の対応は二転三転

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クリニックの医師は、電話診療で炎症をやわらげる薬や解熱剤を処方してくれた。これまでも風邪の際に処方されたことがある薬だ。

新型コロナ用の飲み薬「モルヌピラビル」が処方できるようになったのではと思ったが、それは重症化リスクが高い人のみ。通常の風邪よりも段違いにつらくても、私には通常の薬しか出ないようだ。

陽性判定後に処方された薬(筆者撮影)

咳もでてきた。発作のような咳でしばらく止まらない。この先、どうなるのか。高熱の中、あれこれと思い巡らせた。

東京都のホームページによると、保健所は、発生届に記載された陽性者の電話番号に連絡し、療養先を調整するとなっている。感染者に対する注意書きには、こう書かれていた。

「ご家族や周囲の方に感染させないことが大切です。そのため、感染した方のうち、入院治療の必要のない軽症や無症状の方には、都が用意した施設での宿泊療養をお願いしています」「自宅から宿泊療養施設に入所する場合は、保健所からご本人に連絡があります」

このとおりだと、私は隔離され、宿泊療養することになる。

昨年9月、同世代の知人男性がコロナで亡くなった。医療崩壊で入院できず、自宅療養していたところ、悪化して、緊急入院したときには手遅れだった。私も咳で息苦しいが、彼の苦しさはこの比ではなかっただろう。

家族が感染したらと思うと、気が気ではない

発熱から4日目の1月23日。正午すぎ、私のスマホにショートメールが届いた。厚労省と区保健所からだ。クリニック医師の「陽性です。発生届を出します」の連絡から26時間過ぎている。

ショートメールの指示は、HER-SYS(ハーシス)という健康管理システムに入り、質問に答えるようにという内容だ。指定された通りにアクセスし、体温や体調を記入。「息苦しさはありますか」「食事は困難ですか」などの質問が並ぶ。

酸素飽和度の記入も求められた。パルスオキシメーターを持っていない人はどうするのだろう? 保健所のホームページには「必要と判断される方」にはパルスオキシメーターを貸し出すと書いてあるが、ショートメールに貸し出し案内は見当たらなかった。

私は昨年ネット通販で買ったメーターを使って測定し、記入した。正常値は96%以上のところ、私は95~98%の間を行き来した。

このころになると、のどの痛みで声が出なくなった。激しい咳を繰り返し、炎症が進み、声が枯れてしまったのだ。しょうが湯やコーンスープなど温かいもので水分を補給し、うがいをして、痛みを少しでもやわらげようとした。そして、保健所からの連絡を待った。咳が止まらない自分を早く家族から隔離したかった。

これだけ患者が急増しているのだから、簡単に対応できないだろうと頭では理解していた。でも、家族が感染したらと思うと、気が気ではない。家族にうつって重症化した場合、医療逼迫の中で入院先を見つけるのは大変だろう。保健所の対応を待っているうちに患者が亡くなったという昨夏のニュースをいくつも思い出した。今回は重症化率が低いと言われているとはいえ……。

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