4万円超の値がついた「土偶ニット帽」誕生秘話 「縄文」界隈注目ヒットメーカーは元バンドマン

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竹中はスタッフと手分けして再び業者を探しまわり、東京の会社を見つけ出した。ただ、加工賃が高く、そこに任せると価格を2倍にせざるをえない。どうしようかと頭をひねった竹中は、こう提案した。

「組み立てを自分たちでやります」

これで加工賃を抑えることに成功し、2400円で売れるようになった。自分たちで組み立てることで、思いもしないメリットもあった。ネジが緩みやすい箇所など改善が必要な部分がわかるようになったのだ。

2社目の会社もコロナで倒産してしまい、今はまた別の企業に依頼をしているのだが、スタッフ総出で組み立てるスタイルは変わっていない。これまでに、遮光器土偶メガネはおよそ500個販売しており、小牧野館で最も売れる商品になった。

ナンバーワンヒット商品の遮光器土偶メガネ(筆者撮影)

「遮光器土偶メガネを通して、モノづくりの面白さを学んだし、自分たちで組み立てているということは、半分made in 青森なわけですよね。すごく愛着のある商品です」

商品開発を支えるチームの存在

竹中の「これは!」という気づきは、別のヒット商品も生んだ。

ある日のこと。地元の100円ショップに行った時、白いけん玉を見かけて、ハッとした。

「遮光器土偶に似てる!」

すぐにアイデアが浮かんだ。

「子どもたちのワークショップとして、白いけん玉に土偶の絵を描かせたらどうだろう?」

早速、小牧野館のスタッフに話すと、「いいですね! やろう!」と盛り上がり、100円ショップを巡って白いけん玉を買い集めた。後日、子どもたちを集めてワークショップを開いたところ、それが大盛況に。その様子を見て手ごたえを得た竹中とスタッフは、けん玉について調べた。

あまり知られていないことだが、けん玉の元祖は、フランスの玩具「ビルボケ(bilboquet)」と言われている。16世紀の絵画にも描かれているビルボケは、簡単にいうとけん玉の両サイドにある受け皿がなく、穴の開いた球を棒に差し入れる玩具だ。竹中は、このビルボケを参考に、玉の部分を遮光器土偶の頭部、棒の部分を遮光器土偶のボディ、棒の先を縄文人の頭にしたけん玉を考案した。遮光器土偶の頭部(玉)が外れると、縄文人が現れるというデザインだ。

それから弘前市でオリジナル創作こけしを作っている作家のCOOKIESに連絡を取り、「こういうけん玉、作れますか?」と相談したところ、快諾。細いものと太いものを試作してくれた。それを見て、竹中はピンときた。

「太いほうを男の縄文人、細いほうを女の縄文人にすればペアで売り出せる!」

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