ファンド傘下で出直しのすかいらーく、脱創業者経営への試練《新しい経営の形》


ファンド傘下入り後店舗閉鎖、転換を断行

ファンドの傘下に入ることで、経営の意思決定のあり方は大きく変わった。従来の行け行けドンドンの出店重視型は、ファンド体制下で、いかに正確に利益を出すかを重点的に考える体質に変化した。「これまで、顧客の属性、社会的環境を考慮し業態開発を行うマーケティングの概念が、すかいらーくには欠落していた」。08年8月に前任の横川竟(きわむ)が解任された後、社長を継いだ谷真は、創業家の功績を認めつつも、そのくびきから逃れ新しい道を踏み出したことに、肯定的な立場を取る。

谷が社長就任後に手をつけたのは、過去に積み上がった不採算店の閉鎖と陳腐化した業態の転換だ。この2年間で閉鎖した店は全体の1割に当たる200店強。転換は客単価が約900円と比較的高い「すかいらーく」等の旧来型の業態から「ガスト」へ、360店で実施した。いずれも一族経営のときには素早く動けなかった懸案だったが、利益創出を求めるファンドの圧力に押される形で着手。これにより採算は改善、ファンドに約束する計画に対し、EBITDA(償却前利益)は今期で3年連続、超過達成する見通しだ。

谷が就任早々こうした負の遺産の整理に追われた背景には、00年以降の大量出店のツケが回ってきたことがある。「ファミレス市場は頭打ちだったにもかかわらず、出店だけが唯一の戦略であるような、出店至上主義に陥っていた」(谷社長)。


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