ファンド傘下で出直しのすかいらーく、脱創業者経営への試練《新しい経営の形》


 専門店化やグループ間の食材共用という戦略は、すでに他社が採用している。「ステーキガスト」は、サラダバーを取り入れた「ブロンコビリー」(ブロンコビリー)や「けん」(エムグラントフードサービス)、「旨っカルビ」はテーブルバイキングの「焼き肉きんぐ」(物語コーポレーション)と業態は似通っている。業界内では「丸ごとパクリではないか」という声も聞こえるほどだ。牛肉の直接購買、共用はすでにゼンショーが「すき家」「なか卯」「ココス」などで00年から始めている。

ただ、かつての最大手がなりふり構わず、他社を模倣し始めた影響は大きい。「焼き肉きんぐ」を開発した小林佳雄・物語コーポレーション社長も、「われわれに一日の長があるとはいえど脅威」と警戒する。

脱創業者経営に向け、負の遺産整理という第1ステージは完遂した。次は、新業態を含め既存店売上高をいかに伸ばすかだ。先導してきたファンドも、当然ながら利益を最優先している。会社を売却、もしくは再上場となれば姿を消してしまう一時的な存在にすぎない。成長のカギは全社的に浸透し始めた新たな会社の方向性に、社員がどれだけ応えられるかどうか。茅野も草葉の陰から見守っているはずだ。(敬称略)

(二階堂遼馬 =週刊東洋経済2010年10月2日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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