ファンド傘下で出直しのすかいらーく、脱創業者経営への試練《新しい経営の形》


 市場が縮小しているにもかかわらず、出店拡大はそのまま--。その結果起こったのが、自社内競争の熾烈化だ。8カンパニーから成る従来型の体制は、「自分たちの予算を達成することしか目に入らず、視野狭窄になりがち」(谷社長)。そうしたマイナス作用が業績の悪化に拍車をかけた。たとえば、近隣の「ガスト」が金曜日にチラシを出すなら、われわれの「バーミヤン」は1日早い木曜日に出す、というような悪循環にはまってしまっていたのだ。

谷は伊藤社長時代に表出した縦割り組織の弊害を、08年12月の組織改革で解消した。業態ごとにロゴを入れなければならず、バラバラだったはしやお手ふきなど備品類についても仕入れはすべて一本化。食材についても、全業態で30(!)あったハンバーグの種類を半分に減らすなど、とことん効率路線を追求した。09年度の営業黒字化達成には、不採算店の大量閉鎖のみならず、こうした地道な見直しも貢献している。

経営を俯瞰できる人材が枯渇していた現実

創業家とファンド。両者の亀裂は、経営のスピード感の違いから、瞬く間に広がっていった。決定打となったのが、07年末に行われた次年度予算説明の席。当時社長の横川の姿勢にファンドは不信感を抱いた。MBO前と後では、原材料高、飲酒運転規制の強化という外部環境の逆風はあったにせよ、その時点で利益水準は、横川がファンドに約束した半分程度にしか達しておらず、満足できる水準には程遠いものだった。「具体的にどう対応するのか問うても、横川氏はチラシをまけば大丈夫といった抽象的な話ばかり。感覚だけでものを語る。資本家として当然の権利を行使する時期が迫って来ていると感じた」(永松昌一・野村プリンシパル・ファイナンス執行役社長兼野村ホールディングス常務)。

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