「企画を量産できる人」はこんな風に発想している 「裏側を見せる」「世の中とどう接続させるか」

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加藤:(笑)。

角田:10月スタートの番組なのに、8月になっても9月になっても8個のまま。まだADでテレビ制作の状況があまりわかってないから「だんだん増えていくんだろう」と思ったんだけど、本当にそのまま10月の番組スタートになったわけ。で、1回の放送で4人分の「超人」ネタを使っちゃうんだよ。

加藤:ということは、2回の放送分だ。

角田:でしょう?「3回目の放送、どうするのかな?」と思ったら、2週目くらいで、「来週どうしようか」って言い出してさ。

加藤:「さっそく困ったぞ」って。

角田:そう。それを聞いた時に「うわ、テレビっていい加減だな」って初めて思った。そもそも世の中に超人なんてそんなにいないんだよね。

加藤:意外にネタを貯めていないんだね。

角田:レギュラー番組の場合は大抵貯めてないと思う。その場で考えてることが多い。僕がディレクターだった『金スマ』を例に分析すると、あの番組は隔週の土曜日に収録なのね。

加藤:2週撮りってやつだ。

角田:金曜日の21時にオンエアで、翌日の土曜日に収録。でも視聴率は月曜日までわからないから、それを待って火曜日に会議。そこから翌週の土曜日に収録するネタを考えてた。実質10日間で2週分の収録のネタを考えてたことになるね。 

「初出し」をあえて避ける勇気を持つ 

加藤:元の質問に戻ると、この質問者の方は「週1のレギュラー番組」になるわけだよね。テレビのレギュラー番組の場合にも「面白い回」と「普通の回」があるという話をしていたけど、その比率ってどれくらいなのかな? この質問者の方は、「ずっと続けるためには毎週ドッカンドッカンとウケないといけないんですか?」ということも聞きたいんだと思う。レギュラー番組を続けるにあたって必要となるクオリティの幅、と言い換えてもいいね。

角田:やっぱり、つまらないものが続くと存続がヤバいから、キラーコンテンツみたいなものは「何ヶ月に一回か出さないとマズいよな」とは思ってるんだけど、実際のところ、キラーコンテンツなんてそうそう無いよね。『金スマ』でやっていたことで言うと、普通、あらゆる番組って「初出し」を喜ぶんだよ。

加藤:「初出し」ってなんですか?

角田:「いままでメディアに出てこなかったあの人が、テレビ初登場」みたいなこと。

加藤:ああ、なるほど。「初物」だ。

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