「企画を量産できる人」はこんな風に発想している 「裏側を見せる」「世の中とどう接続させるか」

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角田:そう。「初物だと数字(視聴率)がとれる」と思ってるから、普通の番組は、その時に話題の人を初物で出そうとするんだよ。たとえば、麒麟の田村(裕)さんの『ホームレス中学生』がヒットしたじゃないですか。あの時も「田村さんをどこの番組が初出しするか」をテレビ局は競うわけだよ。でも、「そこで勝負すると負けちゃうな」と思ってたから、『金スマ』ではやらないんだよ。それじゃあどうするかというと、むしろ初物に触らないことにしていた。そういうのは『おしゃれイズム』(日本テレビ系列)みたいな他局のトーク番組でやってもらおうと。

というのも、たとえば「田村さんの『ホームレス中学生』が売れている」と言っても、本を読む人口ってそんなに多くないし、テレビを見ている人みんながその話題を知っているわけでもないでしょう。だから、わざと3ヶ月から半年待って「みんなが知っている」状態になった後に、「『ホームレス中学生』の、これまで隠されていた過去とは!?」「金スマで〈完全版〉をお送りします」みたいな切り口で取り上げるみたいなことをしていました。

世間と自分とをどう接続するか

加藤:なるほどねえ。今の話で言うと、質問者はメーカーの方だから、競合他社の商品をそのまま取り上げるのはたぶん難しいじゃないですか。なんだけど、合気道じゃないけど、競合他社の商品の状況を踏まえて、みたいなのがあるってことかな?

角田:それで言うと、今あるメーカーのコンサルをやってるんだ。その会社の商品でTwitterアカウントの運用をやっているんだけど、全然バズってないんだよ。なぜかというと、「商品の紹介」だけをやってるの。本当にいい商品なんだけど、アカウントで商品の紹介しかないと退屈じゃん。だからあまりリツイートやフォローされないわけです。

そこで僕が言った案は、たとえば「(当時の)SMAPの5人に対して、自分達の商品のうちどれをオススメするか」をTwitterに投稿しようというものなんです。赤・青・黄と色のバリエーションがあったとしたら、「木村拓哉さんには青がオススメ」「中居正広さんには赤~~」みたいなことを投稿したら、SMAPファンはその投稿を読むよね。それで彼らの肖像権を侵害しているわけでもない。この応用は何にでも利いて、サッカーの日本代表が勝ったときには、じゃあ「サッカー日本代表の○○さんに合ううちの商品はこれだと思います」とつぶやくだけで「いいね」数が増えると思う。

これを、質問者の方の悩みに当てはめると、「世間と自社の商品をどう接続するか」で企画を考えるということだよね。自分のところの商品だけで企画を作るとネタが尽きちゃうんで、それと「いま世間で流行っているもの」との掛け算をする。番組作りでは、そんなことばっか考えてるよね。スイーツが流行っているなら、「スイーツをうちの番組ならどの切り口で取り上げるか」とか。

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