「Web3.0」の説明にピンとこない人が多い根本原因 結局のところ今までのネットと何がどう違うのか
今やITサービスの成長にコミュニティーの存在は不可欠となりつつある。実際にAirbnbやUberといったユニコーン企業の誕生秘話には、資本市場の原理にとらわれない多様なステークホルダーが登場し、出資金以外のさまざまな貢献や応援を行っている。
にもかかわらず、こうしたステークホルダーは企業の生み出す富の恩恵にあずかることはできず、むしろ、望まぬサービスのアップデートに苦しめられることもある。
この不満を解決しようという願いがWeb3.0への原動力となっている。
Web3.0を生み出すブロックチェーン技術
これまでのインターネットの発展がつねにテクノロジーの進歩による課題解決を通じてもたらされたように、Web3.0への発展もまた新しいテクノロジーをきっかけとしている。そのテクノロジーこそがブロックチェーンだ。
ブロックチェーンはビットコインに端を発する新しいインターネット世界のインフラである。このインフラの特筆すべき特徴は以下の4つである。
- ● ネットワークが特定の管理者ではなく分散的なデータ共有システムによって維持される。
- ● ネットワーク上のデータを書き換えることが困難で、不正の検証が容易。
- ● 個人がそれぞれの認証情報(ウォレット)を利用し、自身のデータ所有権を自由に行使できる。
- ● 決済や投票といった特定の処理をプログラムコードのみで自立分散的に執行できる(スマートコントラクト)。
これらの特徴により、ブロックチェーン技術は、特定の管理者ではなく自立分散的に稼働するプログラムコードに依拠して、個人間の価値や権利のやり取りを実現する。
これまで企業やプラットフォーマーを介して行われてきたさまざまな取引が、インターネット上のプログラムコードに置き換えられるということだ。
これにより、技術的には、企業の得てきたマージンがサービスの提供コストから引かれ、安価で魅力的なサービスを生み出すことが可能となる。また、サービス運営資金の管理や分配、貢献者へのインセンティブも自動化しうる。
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