所持品ゼロ生活で気づいた「着る服がない」の真因 悩んだ末に「60点の服」ばかり着ていませんか

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シンプルライフでは、選ぶほど持ってないから選ばなくていい。洗い上がっているものを着るだけ。服選びをスキップできるというのは、家事が1つなくなるくらい軽やかだった。

誰にも会わない日でも、何を着るか少しは迷う。家で大事な服を着てヨレヨレにしてしまいたくない。でも気の抜けた服ばかり着ているとやる気も出ない。長いと10分くらい悩んで、結局よそ行きと部屋着の間みたいな、どうも思ってないけれどひどすぎない60点くらいの服に落ち着く。悩んだ末に60点はつらい。その繰り返しでほんの少しずつ自分を大事にできなくなっていくんだとしたらもっとつらい。

ずっと白が着たかった。好きな色だし、顔色もよく見える。着るレフ板。でも醤油をこぼすことにかけては右に出る者がいない私なので、ずっとためらってきた。シンプルライフではあえて白いパーカーを選び、手持ちの服が少ないからこの白いパーカーを着るしかない、という状況を作ってみた。汚すのこわいな〜どうしようかな〜と思わずに、有無を言わさず白を着る生活。

気持ちいい。好きな服しかないと好きな服を着るしかない。毎日同じような服を着るといっても、学生時代の制服と違うのはそういうところだ。

服を減らすなら洗濯に強いことが重要

初めのうちは2着くらいでやりくりしていたので、毎日洗って回転させていけることが第一条件だった。これまで洗いやすさを基準に服を選んでこなかったため、手持ちの服は一度洗っただけでピタピタに縮んでしまいそうな服や、破け散ってしまいそうな服、プリーツが無に帰してしまいそうな服ばかり。

もちろん、繊細なレースがついているようなたまのおしゃれ着も大切だけど、まずは基本の丈夫な服をそろえて、そのうえでクリーニング店に持っていく服は1、2割ぐらいがいいのかも、と思うようになった。これまでは8割が洗いづらい服で、結局2割の丈夫だけどどうでもいい服をよく着てしまっていた。タフな服を選ぶということは、長い目で見て付き合っていける服を選ぶということ。心地よさの基盤になるし、エコでもある。

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