所持品ゼロ生活で気づいた「着る服がない」の真因 悩んだ末に「60点の服」ばかり着ていませんか

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よく考えてみると、同じ服を着ていると思われたくないというよりも、自分自身が同じ服を着ることに飽きていたのだった。ものすごく飽き性で、とても気に入って買ったのに2回くらい着て出かけたらすぅっとときめきが色褪せてしまった、ということが何度もあった。人の目を言い訳にしていたけれど、本当に向き合うべきだったのはなぜ飽きてしまうのかという部分だったのかもしれない。

また同じ服着てる、といちいち思うほど、おそらく人は他人に興味がない。もしも、また同じ服着てるね、と言われたら「そう、スティーブ・ジョブズ目指してる」とか言っておけばいい。2回で飽きてしまう服をとっかえひっかえ着ているよりも、いつも文句なく好きでいられる服を大事に堂々と着ている自分になりたい。

本当に好きな服は毎日着ても飽きない

このことに気づけてよかった。私はどうせ飽き性だから、何度も同じ服を着たら飽きてしまうのが当たり前だ、と感じていた。

でも違った。1日1つずつしかアイテムを取り出すことができないので、何を選ぶかは時間をかけて真剣に考える。おでこにふわっと浮かんだアイデアではなく、みぞおちの奥から湧き上がる「我、これを欲す」みたいな要求に耳をすまし、自分と相談して1つひとつ決めていった。そうやって選んだ服は本当に好きな服だったし、本当に好きな服は毎日のように着ても全然飽きなかった。

ここでいう「本当」とは、自分もまだ発見していなかった真実のこと。まだ気づいていない、というよりまだ生み出していない「真の好き」があった。これまでは悩んでいる時間が無駄だと思っていたけれど、自分に必要かどうか考える時間は、かければかけるほどその選んだものへの愛に変わるのだとわかった。悩むことで好きの形がはっきりして、どうして好きなのかがわかると愛着を持つことができるのかもしれない。

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