「練習嫌い」内村航平の競技人生を支えた深い言葉 加藤沢男さんが19歳の内村に告げた言葉が響いた

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引退会見で笑顔を見せる内村(写真:日刊スポーツ)

「世界一の練習を積めなくなったこと」。体操の内村航平は、引退を決意した理由を口にした。五輪個人総合2連覇、世界選手権同6連覇などで「キング」と呼ばれた。誰よりも体操を愛したからこそ、葛藤もあったはず。重たい決意の裏にあったキーワードは「世界一の練習」だった。

競技人生を支えた言葉

「今でも胸に刻んでいる言葉です」。そう聞いたのは2016年リオデジャネイロオリンピック(五輪)の直前、史上4人目、日本人としては1968年メキシコシティ。1972年ミュンヘンの加藤沢男さん以来となる個人総合2連覇に挑む前だ。

当記事は『日刊スポーツ』の提供記事です

加藤さんの言葉だった。2008年北京五輪前の合宿で、19歳の内村に告げた。「世界一の練習をしなければ、世界一にはなれない」。練習嫌いだった内村に、偉大な先人の言葉が響いた。以来、量でも質でも「世界一の練習」をし、世界王者にあり続けた。内村の競技人生を支えた言葉だった。

1時間に及んだ会見で、内村はたびたび「伝えていく」という言葉を使った。自らの経験や理論を、次の世代に継承すること。そのために「栄光と挫折を知ったことはよかった」と、リオ五輪後のケガに悩まされ続けた5年間もポジティブに受け止めた。金メダルに彩られた栄光だけでなく、負けた挫折も、後進に伝えるためにプラスになると。

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