複雑化する「住宅設備」快適になるはずが不便さも 住まいはユーザーフレンドリーになっているか

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Bさん、Cさんのいずれのケースも優れた機能を有しているモノだが、「ユーザーフレンドリー」性を損なっていると筆者には感じられる。その原因は住宅事業者による説明不足だと考えている。

ただ、より正確に言えば、彼らは説明をしていないわけではない。たいていの場合、商談中や入居後には一通りの説明を行う。設備機器などの取扱説明書はもちろん、中には建材なども含めた「お手入れブック」的なものを手渡す事業者もいる。

とはいえ、住宅に使われる素材や設備機器は膨大な数になり、限られた時間の中ですべてを説明するのは難しい。また、住む人が説明やガイドブックの内容を十分に理解し、記憶できるとは限らない。お年寄りや子どもたちにそれを期待するのは酷だろう。

中でも、前述した家庭用蓄電池といった高度な技術が用いられている機器を、期待通りに活用するには、彼らだけでは相当ムリなケースがある。電源切り替えの完全自動化といったより使い勝手のいいシステムの導入が求められる。

アフターサービス体制に注目を

前述したように、使用される設備機器も多種多様に及び、さらにそれぞれに用いられる技術も高度化している。このため、住んでみないとわからない問題点も多く発生すると考えておいたほうがいい。

そこで、最後に住宅事業者がそうした状況にどのように対応しようとしているのかを紹介しておく。1つは顧客窓口機能の強化やアフターサービス部門の人員強化だ。

メンテナンスセミナーのイメージ(筆者撮影)

主に顧客満足度を高め、特に建築後長く時間がたった顧客のリフォーム需要を開拓する狙いがあるが、中には築浅の顧客をも含め対象にしたメンテナンスセミナーを開催している事業者も存在する。

例えば、前述したAさん、Bさん、Cさんのような使い勝手に関する不満や軽微なメンテナンスは、住宅事業者にとっては効率的な対応が難しいため、セミナーを開催して一度に多くの顧客を集め対処法を紹介しているわけだ。

もっともコロナ禍の今では、顧客を集めることも難しい状況。だから、インターネットの顧客専用サイトなどを通じ、メンテナンスなどの情報や、問い合わせに対応するより手軽に利用できるシステムを導入する事業者もいる。

ミサワホームでは、AIを活用しチャット形式で顧客にメンテナンスの情報や問い合わせに対応するシステムを導入している(ミサワホーム提供)

住まいは非常に高額で長く使うもの。問題点の改善にどれだけ尽くしてくれるかも、住まいへの満足度を左右する要素になる。

今後、住宅取得を目指す方には、建物の設計や導入する設備仕様だけでなく、住み始めてからのユーザーフレンドリー性も重要な検討材料にしてほしい。

田中 直輝 住生活ジャーナリスト

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たなか なおき / Naoki Tanaka

早稲田大学教育学部を卒業後、海外17カ国を一人旅。その後、約10年間にわたって住宅業界専門紙・住宅産業新聞社で主に大手ハウスメーカーを担当し、取材活動を行う。現在は、「住生活ジャーナリスト」として戸建てをはじめ、不動産業界も含め広く住宅の世界を探求。

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