13日の米株式相場は反落。金利上昇に最も敏感なテクノロジー銘柄が売りを浴びた。インフレ抑制に強い姿勢で取り組む意向が米金融当局者から相次ぎ示されたことが背景。一部民間企業にワクチン接種か定期的な検査を義務付けるバイデン政権の取り組みを米最高裁が退けたことも意識された。
ナスダック指数は2.6%の大幅安に
ハイテク銘柄で構成するナスダック100指数は2.6%下落し、昨年10月以来の安値。マイクロソフトやテスラなど大型銘柄の下げが響いたほか、半導体株は早い時間の上げを失った。一方、ボーイングは上昇。中国で運航が停止されている737MAXが月内にも商業運航を再開する見通しだとのブルームバーグ・ニュースの報道が材料となった。
S&P500種株価指数は前日比1.4%安の4659.03。ダウ工業株30種平均は176.70ドル(0.5%)安の36113.62ドル。ナスダック総合指数は2.5%低下。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時11分現在、10年債利回りが5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.69%。
金融当局関係者は利上げに前のめり
米連邦準備制度理事会(FRB)の副議長に指名されているブレイナード理事は、早ければ3月に利上げを行う可能性を排除しない姿勢を示した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は3月の利上げ開始を予想すると述べた。
一方、この日発表された昨年12月の米生産者物価指数(PPI)は予想を下回る伸びにとどまり、コスト圧力が和らぎ始めた可能性を示唆した。
アルパイン・ウッズ・キャピタル・インベスターズのポートフォリオマネジャー、サラ・ハント氏は「株式にプラスに作用していた要素の多くが中立またはマイナスに傾きつつある状況だ」と指摘。このため、経済指標や米金融当局の反応が注目される中で、向こう数カ月は相場変動が増幅しやすくなるとの見方を示した。
外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して下落。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、直近3日間で昨年5月以来の大幅低下となった。米国債利回りの低下が背景にある。
ドル指数は0.1%未満低下。ニューヨーク時間午後4時11分現在、ドルは対円で0.5%安の1ドル=114円12銭。一時は114円ちょうどまで下げた。ユーロは対ドルで0.1%高の1ユーロ=1.1453ドル。