「イスラム国」との戦いは第3次イラク戦争だ 畑中美樹・インスペックス特別顧問に聞く(上)
フセイン時代の共和国防衛隊やバース党員が共闘
――「イスラム国」とはどのような組織か。
イスラム国の全容はまだはっきりとはわかっていないが、イスラム国の元メンバーのインタビューなどが先進国の専門機関を通じて行われており、多少輪郭がわかってきている。
一般のマスメディアでは、アルカイダと同様、イスラム原理主義の過激な国際テロ組織ととらえられているが、実態はそうではなく、本当に「国」をつくろうとしている人たちの集まりである。イラク戦争で米国に敗れたサダム・フセイン政権下の旧軍人や、当時イラクの与党であったバース党の党員らが中核としてイスラム国を支えている。
6月に(イラク北部の都市)モスルを制圧した時などの軍事作戦を見ていると、どう考えても素人による作戦ではない。モスル制圧の後、首都バグダッドに進軍するが、落とせないとなると今度は北部のクルド人地域を攻撃。その過程で油田や製油所、ダムといった、国家にとってのライフライン、収入源になる施設をしっかり押さえている。
こうした組織的、計画的な動きは、単なるテロリスト、過激派集団が行っているのではなく、軍事的経験のある旧軍人や政権を担ってきたバース党員たちがバックにいることを示している。
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