菅義偉「国民の皆さんに伝え切れていなかった」 前首相が振り返るコロナ対策とこれからの展望

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塩田:自民党の中で、自分の派閥を持つ考えはありますか。

:それは考えていないです。

塩田:将来、自民党の幹事長に、という話が浮上したりしたときには、引き受けますか。

:それもないですね。ただ、今、言ったようなことをきちっとできるようにしていきたいと思いますね。

塩田:後任は岸田文雄首相です。新発足の岸田政権をどう見ていますか。

:スタートしたばかりです。慎重に始動しているということじゃないですかね。

塩田:岸田首相の路線は、同じ自民党政権でも、菅内閣とは対極のように映ります。

:誰がやっても、対コロナでワクチン対策をやらなければいけない。それと、やはり改革はやらなければダメですね。それを進めていく。

塩田:岸田首相は2021年10月、就任後の最初の国会での所信表明演説では「改革」という言葉をいっさい使わず、その点が注目を集めました。

:言葉ではなくて、実際どうやっていくか、それを見ていく必要があると思いますね。

塩田:岸田首相とは、かつて2009年まで同じ古賀派(宏池会。現岸田派の前身。古賀誠元幹事長が率いていた派閥)でした。政治家としての岸田首相をどう見ていますか。

:私、そんなに付き合いがなかったものですから……。これからどうやっていくか、慎重に安全運転でやり始めているなという思いがします。

派閥にこだわるより国民の思いをしっかり受け止めたい

塩田:2021年10月の衆院選で、自民党は何とか単独で絶対安定多数を確保して「1強」体制を維持しました。前総裁として自民党の現状をどう受け止めていますか。

:派閥にこだわるより、国民の思いをしっかりと受け止めて、政策を進めていくことが大事だと思います。

塩田:総選挙の結果は、菅内閣の1年間の実績も1つの要因だったと思いますか。

:いやいや、それはないでしょう。ただ、ワクチンでコロナが収まったことが大きく影響したのではないかと思います。

《インタビュアーの一言》
 2021年9月、異例の「コロナ未収束・1年後の自民党総裁選・1年1カ月以内の衆院選・開催の成否が不透明な夏季東京五輪大会」という4つの壁を背負って政権を担った菅首相は、結局、五輪以外の3つの壁を超えることができず、在任1年で退場した。無念と不燃焼感は大きかったのでは、と思われたが、「さっぱりしている」と語るとともに、「私の気持ちをわかる人はいないのでは」という答えが返ってきたのが印象的だった。
退陣から3カ月余が過ぎ、前首相の「次の出方」にも関心が高まってきた。後任の岸田首相と距離を置く菅氏が、自民党内の議員集団「ガネーシャの会」という菅グループを軸に、新派閥を旗揚げするのでは、という推測報道も目にする。インタビューでの「派閥結成は」「幹事長などの要職への意欲は」、さらに「政権再挑戦は」という問いに対して、いずれも「考えていない」という回答だったが、達成半ばに終わった在任中の政策目標も含め、今後の挑戦課題について、強い意欲を隠さない。もしかすると、10年前に自ら担ぎ出した安倍晋三元首相をお手本に、1回目の失敗を教訓にして、可能なら2回目を、という思いがあるのだろうか。「私の気持ち」の胸奥を知る手掛かりはないが。(塩田潮)
(撮影:尾形文繁)
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