成果をあげない人ほど働き、「忙しい」と嘆くワケ 生産性の高い人が決してしないシンプルなこと

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長く職場にいて、たくさん仕事をするほうが、高く評価される時代が続いていましたが、これからは生産性が重視されていくでしょう(写真:PeopleImages/iStock)  
「すぐ行動に移せない」「人に時間を奪われる」……多くの人が時間を無駄にしたことへの悩みを抱きがちだ。そんな人たちに向けて、30年間、起きている時間すべてを時間割に落とし込み、労働時間は半分・収入を数倍にした経営コンサルタントの藤井孝一氏が、カンタンかつ画期的な時間管理術を提案。今回は生産性をあげるためのちょっとした工夫を、藤井氏の著書『すぐ動けない人のための時間割仕事術』から一部を抜粋・再構成してお届けする。

「重要でないこと」は意外と多い

「いつも時間がない人」の共通点は、とてもシンプルです。「忙しい、忙しい」と言っていても、よく精査してみると、大したことをやっていないということはよくあります。

例えば、探しものをする人は少なくないと思います。大塚商会の調査によると、ビジネスパーソンは年間約150時間、労働時間の実に1割近くを探しものに費やしているそうです。

「あの資料はどこにしまったっけ」とか「連絡先はどこだっけ」とか、「ふせんが見つからない」とか「あの言葉はなんだっけ。検索してみよう」という具合です。さらには「今日、何、着ていこう」と悩むこともあると思います。

ネット検索していて、関係ない別のことにどんどん深入りしていくのも、広義の探しものに含まれます。

資料やデータをちゃんと整理しておく。ムダなネットサーフィンはしない。着ていく服は前日に決めておく。それだけでよけいな探しものに時間をとられなくてすみます。

また段取りが悪いのも、やるべきことを増やす一因になります。よく「二度手間」といいますが、1回ですむことを二度も三度もやっていれば、時間も足りなくなるでしょう。気づけば「いつも時間がない人」になってしまいます。

よく、忙しくて時間がない人は、仕事ができる人と勘違いされがちです。しかし、そんなことはまったくありません。やるべきことが増えれば、作業効率は下がるからです。

ピーター・ドラッカーは「成果をあげていない人のほうがよく働いている」と言っています。理由は、成果のあがらない人ほど、仕事に求められる時間を過小評価しがちだからです。また、彼らは複数の仕事を同時進行しようとするからです。

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