消防車専業で走るモリタ、頭打ち市場でも増収増益
「次の100年で世界首位を目指す」
とはいえ、国内市場では恒常的な需要の伸びは期待できない。今後はさらなるシェア向上と標準化車種を順次投入していくことで、採算改善を押し進めていく。標準化については、泡消防車に続いて、はしご消防車、ポンプ車で進めていく方針だ。
世界に目を転じると、モリタは消防車メーカー世界2~3位につけている。新村会長は、「次の100年で世界首位を目指す」と豪語する。
照準はもちろん、中国市場だ。国内需要が1300台程度なのに対し、中国には4000~5000台の需要がある。この世界最大の市場を狙って、05年には現地の消防車を生産する元国営企業に出資し、消防車の現地生産を行っている。
泡消防車に続く次の戦略商品には、はしご消防車を置く。1台の泡消防車が3000万円程度なのに比べ、30メートルのはしごを積んだ最新式のはしご消防車で1台1億8000万とケタが違う。年間60台製造するはしご消防車のうち、国内向けは40台程度で、残りは中国に輸出している。納品先は北京市や上海市など高層ビルが増えている大都市だ。現在、三田工場には北京市向けのはしご車がずらりと並んでいる。
「まずは消防車で“モリタ”ブランドを浸透させていく。いずれははしご車の現地生産に向け新たな提携先を探したい」(白井取締役)。国内で逆境をはね返した自信をばねに、中国への助走を始めている。
(松浦 大 =週刊東洋経済2010年9月25日号)
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