「良薬口に苦し」です。時に苦い良薬、つまり第三者的な立場から厳しいアドバイスをくれる人、時に我を忘れて親身になって寄り添ってくれる人の存在は、非常に大切です。意識的にメンターを作るようにしましょう。自分にとってメンター的な役割を果たしてくれる人であれば、明示的にお願いをしなくても(極論すれば、先方が自分はメンターだと認識していなくても)何の問題もありません。
ロールモデル同様、すべてが完璧なメンターも存在しない可能性があります。そこもこだわりすぎては何も前に進みません。2人以上のメンターをつねに持つように心掛けるなど、工夫をしながら成長を目指していきましょう。
特徴4:やりっ放し
成長が滞りがちな人の特徴のひとつに、何をやっても「やりっ放し」ということがあります。成功しても失敗しても、自分の経験から学習しないタイプです。よく「経験から学ぶ」という言葉がありますが、実は経験からは学べません。「経験を振り返ることから学ぶことができる」というのが真実ではないでしょうか。
振り返りを妨げる最大の要因は「忙しさ」です。忙しく仕事に邁進すればするほど、冷静に自分自身のことを振り返ることが難しくなり、時に視野狭窄になりがちです。大いなる自省の念を込めて書きますが、予定表が階段状に完全に埋まってしまっている状態は、健全ではありません。
できれば、1日に30分は振り返る時間を取る。1カ月に1度はゆっくり振り返りの時間を取る。そんなことを心掛けるべきだと思います。よいと思ったことでも、思っているだけでは実際の行動に移すことは困難です。まずは、今すぐ予定表の時間を押さえてみてはいかがでしょうか。
特徴5:「仕事が忙しい」「○○から学んでいるから大丈夫」が口癖
先ほども書いたように、能力開発の基本は仕事の中にあります。しかし、だからといって仕事だけをしているというのも危険です。このタイプの人は、「仕事が忙しい」という言葉をすべての言い訳に使いがちです。
変化が大きく、速い時代においては、これまで以上に仕事以外からもさまざまなことを学ぶべきです。ビジネススクールに通学する、研修に参加する、本を読む、講演を聞きに行く、旅行に行く、おいしいものを食べに行く、コンサートに行く、演劇を鑑賞する、運動をする、何か創作活動をする、勝敗がかかった勝負事に参加する、旅に出るなど、多種多様な学びのソースがあるはずです。
たとえば、高級サービスを提供する会社で活躍したいなら、自らが高級サービスを受けてみなければ、顧客の気持ちはわかりません。自腹を切って学ばなければ、何も始まらないのです。「何からでも、誰からでも、どこからでも学ぶことができる」というマインドを持つことが大切です。
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