マック、赤字の理由はチキンショックだけか 顧客から見て「もう魅力がなくなった」?

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地域ごとに適した店舗デザインで改装を進める(撮影:風間仁一朗)

こうした反省を踏まえ、今回の会見では、前述の3つの課題について、抜本的な見直しを行うことを明らかにした。

まず「価格」については、10月8日からランチタイム限定の「昼マック」を導入。「ランチの予算は540円。熱々の食事を持ち帰って食べたい」という消費者のニーズに合わせ、350円・450円・550円の3つの価格帯でセットメニューを販売する。

全体的な価格体系も「一貫性のある、わかりやすいもの」(カサノバ社長)に改め、クーポン券は「ロイヤルカスタマー(常連客)が価値を感じやすい形にする」(カサノバ社長)という。

「メニュー」については、5月に期間限定で販売した「とんかつマックバーガー」をレギュラー商品に取り入れる。さらに、食材サプライヤーとの協力関係を強化し、新規メニュー開発も積極化させる。また子供向けのメニューも、拡充させる方針だ。

そして「店舗」については、既存店への投資戦略を見直し、現状では全店舗の25%にとどまっている近代的店舗の比率を、2018年までに85~90%まで引き上げる計画。さらに、全国画一の店舗デザインを地域ごとで最適なものへと改め、改装の効果を高めるという。

価格体系の課題は今も調査中

プレゼンテーションの最後にカサノバ社長は、「これまでとは違うレベルの決意、明確な意思を持って、このプランをすべてのお客様のために実行していく」と宣言した。だが、全体的な価格体系の見直しは作業に着手したばかりで、現在も消費者のニーズを調査中。今月末に調査結果が判明してから、具体的に動き出すという状況だ。

昨年8月の社長就任から1年以上を空費してしまったカサノバ体制。その手の内から、はたして有効な立て直しプランが出てくるのか。日本マクドナルドの先行きは今もなお視界不良だ。

猪澤 顕明 東洋経済 記者

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いざわ たかあき / Takaaki Izawa

1979年生まれ。慶應義塾大学卒業後、民放テレビ局の記者を経て、2006年に東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などに在籍。2017年に国内のFinTechベンチャーへ移り、経済系Webメディアの編集長として月間PVを就任1年で当初の7倍超に伸ばす。2020年に東洋経済へ復帰、「会社四季報オンライン」編集長に就任。2024年から「東洋経済オンライン」の有料会員ページを担当。

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