マック、赤字の理由はチキンショックだけか

顧客から見て「もう魅力がなくなった」?

日本マクドナルドHDの今村朗執行役員によると、チキンショックで売上高は期初時点の計画から450億円減少し、経常利益も116億円のマイナスになる見込みだという。また、消費者からの信頼を回復するため、フランチャイズオーナーへの財務支援や品質管理システムの強化といった各種の施策を講じることで、合計73億円の経常減益要因となるもようだ。

上場来初の赤字に転落する日本マクドナルドHD。190億円近い減益要因であるチキンショックだけでなく、「通常のビジネス」でも25億円の減益要因となっている。これはとりも直さず、顧客にとって、日本マクドナルドの魅力がなくなり、足が遠のいたということだ。

課題はあぶり出したが…

ヘアスタイルを一新し、心機一転を図るカサノバ社長

期初時点で、日本マクドナルドHDは今期の経常利益を前期比4.5%増の107億円と予想していた。これは、既存店売上高が3年ぶりにプラスへ転じることを前提としたものだった。

実際、今期のスタートに当たる今年1月の既存店売上高は前年同月比3.4%増と、7カ月ぶりのプラス。滑り出しは上々だった。

昨年8月に日本マクドナルドの社長に就任したカサノバ氏は、「競合他社が同じような戦略を取っているため、日本マクドナルドの優位性が揺らぎ始めている」と看破。「価格」「メニュー」「店舗」の3つに課題があるとして、ハンバーガーを再び100円に値下げしたほか、朝食メニューの刷新や大型ドライブスルー店舗への積極的な改装など、さまざまな施策を進めてきた。

しかし、結果的にその効果は薄く、2月以降、既存店売上高は再び前年割れの状態に舞い戻ってしまった。来店客数に至っては、昨年5月以来、17カ月連続で前年同月比マイナスが続いている。つまり、チキンショックは客数減少のペースに拍車をかけたに過ぎず、それ以前から客数減のトレンドは延々と続いていたわけだ。

カサノバ社長は会見で「フォーカスしている部分は正しいが、照準を絞りきれていなかった」と振り返った。たとえば大型ドライブスルーへの改装は、通常の店舗改装よりも時間を要する。そのため、老朽化が深刻になっている一部店舗の改装が遅れぎみになったという。

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