相次ぐ海外自動車メーカーの中国事業拡大(その2)

その日産の提携相手である東風汽車とエンジン製造の合弁会社(東風本田発動機)を持っているのがホンダ。特にホンダは日系3メーカーのなかでも中国進出で先行している。合弁相手は中国版ビッグスリーではなく、中国南部の広東省に拠点を置く地方有力メーカーの広州汽車。1998年5月に合弁会社を設立し現地生産(年間生産能力12万台)を開始、現在は「アコード」や「オデッセイ」を販売している。今年後半には「フィットサルーン」の投入を予定し、来年には生産能力を倍の24万台まで拡大する。これに加えてさらに能力増強を図るべく、エンジン製造のつながりを生かして東風汽車との乗用車合弁生産を目論む。そして、ホンダに比べて中国進出に遅れをとったトヨタ自動車が中国南部の拠点拡充(第一汽車や天津汽車の拠点は中国北部に位置する)に向けて広州汽車との提携交渉を進めているというのが大まかな構図になる。
 日系メーカーが中国事業拡大にしのぎを削っているが、競争相手は他にもいる。中国市場で4割近くという圧倒的シェアを握るのが、フォルクスワーゲン(VW)。海外自動車メーカーとして最も早く1985年に中国進出を果たしている。上海汽車と第一汽車の2メーカーと合弁会社を設立し、積極的に最新型モデルを市場投入。現在は相次ぐ海外自動車メーカーの市場参入で毎年シェアを落としているが、2007年には中国自動車市場が270万台(2002年実績は約120万台)まで拡大し、そのうち150万台をVWグループで取るという野心的な目標を掲げている。これに次ぐのが世界ナンバーワン自動車メーカーのGM。97年に中国市場に参入、VWと同じく上海汽車と第一汽車と合弁会社を持つ。現行の序列をいえば、VWが突出した力を持ち、その次ぎにGMそして日系メーカーのホンダ、本腰を入れ始めたトヨタ自動車と日産となる。
 ただ、中国自動車事業は政府の規制によるところがまだまだ多く、海外メーカーの進出が認められているのは大半が生産の部分。販売金融や自動車保険など、新車販売に付随する事業はまだ開放されていない。WTO加盟でこれらの規制は段階的に緩和されることになっているが、目先の注目は中国政府が10年ぶりに出す新しい自動車産業政策。今回出される政策には、サービス面での規制緩和条項が盛り込まれるとみられており、海外自動車メーカーがさらにビジネスチャンスを拡大できるかどうかのポイントになる。
【井下健悟記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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