マイクロソフト「オフィス」に4つのナデラ流 新CEOは販売方法も利用シーンも変える
10月1日、日本マイクロソフトは、10月17日から「Microsoft Office 365」を日本の個人市場に本格導入することを発表した。会見には、米国本社のサティア・ナデラ社長も参加し、日本市場へのコミットを強調した。
この戦略、多くの人にはちょっとわかりにくいところがある。「マイクロソフト・オフィス(MSオフィス)の新バージョンが出た」と思っている人も多いようである。結論からいえば、その認識は間違いなのだが、「どう違うのか」という部分に、ナデラ体制以降のマイクロソフトを象徴する部分がある。
マイクロソフトのMSオフィス戦略にまつわる4つの「じゃない」から、これからのマイクロソフトを占っていこう。
<1>「バージョンアップ」じゃない
繰り返しになるが、「Microsoft Office 365」は、MSオフィスの新バージョンではない。10月17日から提供されるものは、現在、Windows向けに提供中の「Microsoft Office 2013」と同じものだ。バージョンアップではないため、機能面でのアップを求めているのであれば、購入する必要も必然性もない。
だが、これからもMSオフィスを使い続けるのであれば、「Office365」への切り換えは視野に入れておいた方がお得だ。その理由は次の「じゃない」につながっている。
<2>「買い切り」じゃない
これまで、MSオフィスは、バージョンアップのたびに「バージョンアップ版」を販売してきた。ユーザーは、当初はパソコンにプリインストールされたものを使っていても、ある段階でバージョンアップを求められる。バージョンアップ版の購入には費用がかかるし、バージョンアップ作業にもそれなりの手間がかかるのが当たり前だった。
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