早くも3代目、「Surface Pro3」の意外な実力 初のフルモデルチェンジで方向性が明確に
マイクロソフトは5月20日、米ニューヨーク市で第3 世代となる独自パーソナルコンピュータ「Surface(サーフェス)Pro3」を発表した。
米国では5月21日から予約が開始され、6月20日に一部モデルを除き出荷を開始。高性能版など一部は8月からの出荷だ。
日本を含む26カ国でも、8月末までに販売が開始される見込みだ。価格はベースモデルが799ドルで、高性能プロセッサと大容量(512ギガバイト)SSD搭載の最上位モデルが1949ドルという設定だ。
ハードとクラウドの統合を具現化
と、ここまではカタログの紹介。次にマイクロソフトの経営戦略に触れながら、第3世代の意味合いを考えていこう。
Windows 8投入と同時に始まったSurfaceシリーズは当初、「マイクロソフトが描くWindowsを用いたタブレット端末像」を具現化するためのハードウェアだった。これは現在でも変わらないが、第3世代製品ではマイクロソフト全体の戦略との統合が図られており、マイクロソフトが提供するアプリケーション、サービスとハードウェアの統合が強く意識されている。
すなわち”Windowsを基礎とした新たなパソコン利用モデルの提案”という、Surfaceシリーズに与えられた当初の役割を”デバイスとサービスの会社”となった現在のマイクロソフトに合わせて微調整し、今後、進むべき(とマイクロソフト自身が考える)方向を示す製品となっている。この点は、第1世代製品の改良版だった第2世代製品と異なるポイントだ。
たとえば、256段階の筆圧検知が可能なペン入力機能には、クラウド統合型メモ帳アプリの「OneNote」が連動する。ペン側のボタンを押すと画面全体がメモに切り替わり、ササッと入力後にペンのボタンを再度押して終了すると、自動的にマイクロソフトのクラウド(One Drive)へとメモが格納される。ペン先と画面処理が改良されたため、表示面とペン先との視差が小さくなり、書き味が大きく改善されているという。
別のペンボタンを用いると、画面前後とも同じ品質の500万画素内蔵カメラが起動される。ペンボタンでレリーズを切り、その写真をペン操作で切り出した上でOneNoteでメモを書き込むといった一連の動作を流れるように行える━━。
これらはマイクロソフト・コーポレート・バイス・プレジデントでSurface部門トップのパノス・パネイ氏によるデモの一部である。各利用シナリオはSurface向けにマイクロソフトが作り込んだものだが、マイクロソフトの提供する基本ソフト、アプリケーションソフトなどに機能が反映されており、将来はさらに拡張された形でパソコンメーカーから登場する製品にも影響を与えていくだろう。
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