セブン-イレブン、勝ち続けられる理由とは?

増税後も独り勝ち、鈴木敏文会長に聞く

PBは「安い物」という勝手な解釈

――プライベートブランド商品(PB)は、セブン&アイグループの成長戦略の核になっている。今期はPBで8000億円(前期比約2割増)の売上高を目指しているが、その戦略は。

すずき・としふみ●1932年生まれ。63年にイトーヨーカ堂に入社、73年にセブン-イレブン・ジャパン設立。2005年にセブン&アイ・ホールディングスを設立し、現職。

従来と変らない。PBは「ナショナルブランド商品(NB)に対して自己差別化された商品」と訳せばいいのに、みんな「安い物」だと勝手に解釈している。でも誰もそんなことは言っていないし、そんな定義もない。

たまたま欧米ではNBが強くて、それに対抗するために価格で勝負しなくてはならず、価格を下げて出しただけ。日本はいまモノが余っている時代で、PBは自己差別化された商品ということになる。NBより質的に高いという差別化もあれば、安いというのもある。要するにどんな特徴を出せるかということ。

みんないいものがほしい。だからセブンゴールド(セブン&アイグループの高級PB)を増やす。適当ないいものがいま少ない。たとえばパンだと高いといっても何千円もするわけではない。10円とか15円の差。それならいいものが欲しいのではないか。

――セブン、ローソン、ファミリーマートの業界トップ3による出店競争が加速している。しばらくこれが続くのか。

続くかどうかは知らない。ただ規模が大きくなればそれだけ利益が出せる。それから(一定のエリアで)出店の密度が上がれば、お客さんには便利になる。

既存店が落ちたら、出店はやめる

だから、ほかが店を出すからうちは出さない、ということは考えない。僕は社員に「既存店の売り上げが落ちるようだったら、もう出店はやめる」と言っている。今年の8月は天候不順で清涼飲料の売り上げが非常に落ちた。でも全体ではカバーできた。震災などやむを得ない事情では売り上げが落ちても仕方ないが、それ以外の理由で2カ月も3カ月も落ちるようだったら出店は止める。

なぜならわれわれはフランチャイズ(FC)ビジネスだからだ。われわれ本部が儲かればいいということじゃない。FCビジネスは、加入していただいているオーナーさんたちも一緒に利益が上がらないといけない。本業をおろそかにしてほかのことをするのは邪道。

特に他社の研究をしているわけではないが、既存店の売り上げが伸びていないのに成長することはあり得ない。なぜならスーパーでもコンビニでも、大きいところだけが残って小さいところだけが潰れるなんていうことはあり得ない。一番大きかったダイエーや西友はどうなったのか?一方で街のスーパーはまだたくさん残っているでしょう。

――小売業界では再編がささやかれ、M&Aが話題になることも多い。

あまり考えていない。泥仕合をしても仕方ない。どうしても(グループに入りたい)と頼まれたら考えないこともないが、こちらから取りに行くようなことはしない。僕はそういうことにはまったく興味がない。

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