セブン-イレブン、勝ち続けられる理由とは? 増税後も独り勝ち、鈴木敏文会長に聞く
「そんなのできっこない」「でもやれた」
――いつでもどこでも商品の注文ができ、店舗で受け取りができるオムニチャネル戦略にも力を入れている。
さしあたって言えば、小売業の近い将来の終着点はオムニチャネルだ。どこにいても自分の思う商品が手に入るということ。これはみんなで力を合わせれば実現できる。なぜなら多くの人が求めていることは、やれば成功するから。
40年前にセブン-イレブンを始めるときだって、イトーヨーカ堂、流通業の方々、流通コンサルタント、マスコミ、みんなに反対された。そんなものできっこないと。でもできたよね。セブン銀行をつくるときも、やってもコストが見合うはずがないと言われた。だけど今、十分に成り立っている。
自分がそういう立場にあったら望むか望まないかを考えればいい。セブン銀行をつくった時もそうだった。銀行は土日が休みで、平日も3時までしかやっていない。すごく不便だったはず。だから24時間いつでも出し入れできれば便利だと思い、僕はやった。何も難しいこと考えているわけじゃない。
アマゾンとセブンは何が違うか
ネット専業業者は商品を送っているだけ。サービスや説明はない。オムニチャネルはネット+サービス。単純なネットとは違う。ネットで服を買ったが、サイズが合わなかったり、色が想像と違ったりしたら、自分で包装して送り返さなければいけない。でもセブン-イレブンに持っていけば、全部やってくれて送料も安いということが今後は実現できる。
サービスが重要な時代に、ネットだけではだめだ。米国では、アマゾンからの要請でセブン-イレブンに受け取り用ロッカーを置いている。アマゾンにはそういうリアルな拠点がないということ。だからオムニチャネルがネットと同じだとか、競合するということはまったくない。
――そうした発想はどういったときに浮かぶのか。
寝ないで考えているわけでもなく、特に何もしていない。銀行の話だって、僕は銀行に自分で直接預けたり下ろしたりという経験はほとんどない。学生時代はともかく、学校を出て結婚するまでの間はすぐ上の姉のところに居候していたから姉がやってくれていたし、結婚したら家内がしてくれる。
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