「会社員はダサくていい」は絶対にウソ! 『メンズクラブ』編集長に聞く、武器としての"装い"
目指すのは、ミヤネ屋より、安住さん
――「自分に似合う服を着なさい」と言われても、どこから手をつけていいのか、よくわからないのですが。
スーツをいきなり買うのはハードルが高いと思うので、1枚白シャツを変えてみてはいかがでしょう? ヨーロッパのエリートの間では、シャツ=下着。サイズの合ったシャツを着ることは、「大人としてのたしなみ」です。注意すべきなのは、素材の高級さやブランドではなく、とにかく「サイズ」。量販店でいいから、身体にフィットするものを買う。太っていても、やせていても、自分の身体を隠すような大きいサイズは、みっともなく見えます。
そもそもビジネスの第一印象で大事なのは、「フレッシュさ」「清潔感」です。当たり前のことなのに、できていない人、忘れている人がとても多い。皆、僕がこういうことを言うと驚くんですよ。
「えっ、戸賀さん、トレンドが大事、とか言いそうなのに」と。
確かに『MEN’S CLUB』が扱っているような、「おしゃれ」「ファッション」では、トレンドが何より大事です。今ならばチェックのスーツを着るのが最先端のトレンド。ミラノやパリ、ニューヨークのスナップ撮影に行けば、かっこいいオヤジたちは、チェックのスーツを着てたりします。
でも、ビジネスにおける服は「武器」「ビジネススキル」ですからね。そこを勘違いして、コスプレのような服を着ていても、ビジネスで結果を出すことはできません。
――清潔さですか。目指すなら、誰でしょう? 谷原章介さん?
谷原くんはモデル出身の俳優ですから、どんな服でも似合います。一般人がまねしても、なかなかうまくいきません。
僕がお勧めするのは、TBSの局アナの安住紳一郎さんの着こなしとか。安住さんのことをよくテレビで見るけれど、どんな服を着ていたか、覚えていますか? 思い出せないですよね? でも清潔感が浮かぶ。「あ、安住さんだ、感じいいな」と思う。彼らは、スーツ1着で、明るいニュースも暗いニュースも読まなくてはならない。「その人」ではなく「その人が伝えたこと」が印象に残るのが理想です。だから、余計な主張をしてはいけない、それでいて「好印象」は残さなければならないという、とても難しいバランスで服を着こなしているのです。
そういう意味で、「ミヤネ屋」の宮根誠司さんは、ちょっと個性が前に出すぎかな、と思いますね。キャスターの個性としてはとても大事ですが、サラリーマンで、あそこまで我が強いと、「あ、あの派手なネクタイしていた人……誰だっけ?」と、服だけが印象に残る人になってしまうので、気をつけてください。