「睡眠」--“眠って”いた経済成長の新・未開拓ジャンル
そもそも睡眠とは何か--。ナゼ、人間を含め動物は睡眠を取るのか--。
睡眠については、そうした基本的なファクターが解明されていないということである。
ただし、睡眠不足、不眠症といったものが高血圧、うつ病、糖尿病といったものと因果関係があることは間違いないと判明している。睡眠不足は、成人病というか、生活習慣病という「現代病」と密接に関連している。
いまの企業社会には、「現代病」を抱える社員たちは少なくないといわれている。現代企業社会で、社員たちの仕事を考えるうえで、健康や睡眠をどうコミットしたらよいのか。
仕事の生産性や能率に深く関連している問題だが、これも対策などはまったく打ち出されていないのが実情だ。
人間がぐっすり眠り出したのはこの200~300年
夜にぐっすり眠り、朝はすっきりと目が覚める。一日をすがすがしく始めるのが理想、といわれている。
しかし、そうした「理想」は、あくまで産業革命以降のことだ、というのである。つまりは、この200~300年の話にすぎない。
産業革命以前の何万年間は、日が落ちれば眠り、日が上れば起きるのが人間の基本パターン。ただし、自然を相手にした生活だけに熟睡、つまり「ぐっすり眠る」ということはなかった模様だ。
これは何万年の時期をさかのぼれば、さかのぼるほどそうである。人類の外敵が多ければ、高枕でぐっすり眠るというわけにはいかない。ぐっすり眠っていたら、外敵に食われて、子孫は繁栄していなかったということになる。