「睡眠」--“眠って”いた経済成長の新・未開拓ジャンル

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産業革命直前の時期も、畑を動物に荒されてはいけない、羊をオオカミなどに食われてならないと人間はぐっすり眠ることはできなかったようだ。

つまり、ぐっすり眠って疲労を取って、仕事をするといういまの「理想」の生き方は、人間にとってかなり新しいライフスタイルになる。産業革命の勃発、その後の定着によって、工場や店舗やオフィスで働くことになり、いまの「理想」が生み出されている。

「睡眠」関連は残された経済成長の新分野

夜にぐっすり眠って、朝はすっきりと起きるということは、人間にとっては、この200年~300年の目新しい生き方ということになる。だから、人間が不眠症や睡眠不足になるのは、これは仕方がないという結論になる。

産業革命以前の何万年間は、ぐっすり眠らないで生活してきたのだから、何万年をたったの200~300年でひっくり返すことはそう簡単ではない。

もし、仮にアナタが不眠症となり、高血圧や糖尿病、うつ病などになったら、これは何万年の人間の歴史からいって仕方がないと思うことだ。

しかし、治療はしっかりとすることが必要だ。

医学・医薬業界も、ようやく、この分野に注目して、よい治療が可能となっている。睡眠薬もようやく副作用がなく、自然の眠りを惹起するものが開発されている。睡眠には、メラトニンという脳から分泌されるホルモンが関連しているようだが、その解明がなされつつある。

医薬品業界は、以前に、コレステロールをたたくジャンルで大型商品を開発した実績がある。ファイザーの「リピトール」が典型だ。「リピトール」はコレステロールを分解する薬効で、一時は年商3兆~4兆円規模というすさまじい大型商品となった。

コレステロールをたたくことが人間のニーズとなったのは、やはり産業革命以降のことである。それ以前の5億年は、人間はコレステロール不足に悩んでいたのではないか。

そして、ここに至っての人間のニーズは、睡眠不足、不眠の解消である。人間のニーズは際限がなく、経済成長の新しいテコは、こうした未開拓ジャンルにあるのかもしれない。

(東洋経済HRオンライン編集部)

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