米株に不吉なヒンデンブルグ・オーメンの影 「都市伝説」か、それとも「暴落のサイン」か?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「延期を許容」と書いたが、むしろ、円安で中間決算発表時の上方修正を期待するファンドにとっては、「腰折れ増税」の決定は、好ましくないと思っているフシがある。また、「2015年10月実施」という実施時期も嫌気されている。企業にとっては、影響が不透明なまま、12月決算を迎えるのは好ましくなく、今年の1回目のように、4月にした方が、運用方針でも対応しやすいという。

さらに、日本の消費税とは直接関係ないが、海外の投資家の動向も気になるところだ。今回、QE3(量的緩和第3弾)の終わるタイミングでカルパース(米カリフォルニア州職員退職年金基金)などは、ヘッジファンドへの資金量を減らす方針だ。こういうタイミングで、10%への増税が決まることも好ましくない。

「民主党主導」のイメージが残るうちに実行へ

ただ、自民党としては、「民主党が主導で決めた消費税増税」というイメージのあるうちに実行したいと思っており、先延ばしにして「自民党の進める増税」に変わることを嫌い、強引に実施することも考えられる。

延期か?予定通りか?さらにその結果に対して、外国人投資家はどう反応するのか?正直なところフタを開けてみないとわからない部分もあるが、針の落ちる音も聞きもらさずマーケットの「気配」をしっかり見ていきたい。

アメリカ株の波乱だけでなく、日本株の波乱も感じられる現在、投資家はしっかりと心のシートベルトを締めてかからなければなるまい。今週の日経平均の予想レンジは、1万5800円~1万6500円と、少し広くとってみたい。
 

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事