テレビ各社は大減産へ、不透明感を増す米国消費

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 中国市場も不発だった5月のメーデー商戦の流通在庫の調整期にある。米中における需要失速を受け、10年のテレビ市場は従来のメーカー側の計画よりも3000万台ほど少ない、1億9000万台程度となる可能性がある。

11月から年末にかけて最大の書き入れ時を迎える。だが「現在の在庫レベルを踏まえると、リーマンショックで需要が急失速した08年と同様に、後半低調な展開が予想される」(ディスプレイサーチの鳥居寿一・バイスプレジデント)という。

腰折れの背景には、各メーカーの計画がそもそも強気だった面が否めない。が、米国消費者の購買意欲が産業界の期待ほど回復していない、との要因もある。各社はLEDや3D機能を搭載した高付加価値品を訴求したが、売れたのは従来の低価格品だった。米国景気の不透明感が増す中、減産がパネルや半導体に及ぶのは必至。業界は秋から厳しい調整期を迎えそうだ。

(杉本りうこ =週刊東洋経済2010年9月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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