「しからない、褒めない」が一流の経営者 ネッツトヨタ南国に「働きやすさ」を学ぶ(後編)

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ところで、安倍政権では「2020年までに指導的立場の女性を30%にまで引き上げる」という策を掲げています。でも、実際の現場では、リーダーになりたがらない女性が目立ちます。横田さんは、この現状をどう考えているのでしょうか?

「女性には、一般的な『牽引型のリーダー』は似合わないと思います。牽引型のリーダーには、図太さと孤独に耐える力が必要です。でも、当社におけるリーダーは、部下に仕事を任せたり、部下が困っているのを助けたりして、信頼関係を築いていきます。このタイプのリーダーであれば、女性にも適性があると思います。女性にリーダーを目指してほしいのであれば、一般的な形とは違うものとして、新しい形のリーダー像を提示することが大事です」(横田さん)。

さて、それでは、実際に働いている女性営業社員に話を聞いてみることにしましょう。まず、入社2年目・23歳の池幸美さん。どういう点がこの職場の働きやすさなのでしょうか?

「上下関係があまりないことだと思います。先輩に相談したいことが何かあっても『まずは自分で考えなさい』と言われて、自分で考え、先輩にもその考えをしっかり聞いてもらえます。だからこそ、どうすればいいか自主的に考えて、自発的に動けるようになるのです」(池さん)。

つらいときには、表情から察してくれる

やはり、自主的に働ける人材が自然に育っているようです。池さんの上司は副店長の三谷叔子さん。池さんから見ると「お母さん」のような存在なんだとか。三谷さんは会社では「叔子ママ」と呼ばれて慕われているようです。

「叔子ママは、仕事は一生懸命するけれど、仕事で何かを犠牲にしてはいけないといつも諭してくれるのです。なぜなら、叔子さん自身がお母さんで、仕事だけでなくプライベートも充実させたいという考えだからです。そのためには、仕事はなるべく効率よく進めることが大事。

叔子さんは、こちらがつらいと思っているときには表情から察してくれます。ちょっと発言が少なかったり、研修でうまくできなかったりすると、プライベートの部分まで心配してくれます」(池さん)。

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