「キャラクター化」される、新幹線電車 ママ鉄も大好き!鉄道グッズ&おもちゃの新潮流

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「JR在来線や私鉄の車両は走るエリアも限られているものが多いので、どちらかというと地域特化型商品。特定のエリアで集中的に売り上げが伸びる傾向があります。けれど、新幹線は全国区で人気があり、地域にあまり関係なく、まんべんなく売れています」(立誠社)と言うように、今や完全なる同社の主力商品である。

「鉄下」に始まった立誠社のグッズ展開は、「ハシ鉄」などのテーブルウェアやステーショナリーなどにも広がっている

また、「鉄下」に続いては、子供用の箸を新幹線の形にした「ハシ鉄」などのテーブルウェアや絆創膏などのライフウェア、ファッショングッズ・アクセサリー、ステーショナリー、ベビーグッズなど、鉄道車両をあしらったグッズを大きく展開している。

これらはあくまで「まず鉄道ありき」の商品で、鉄道車両をグッズにデザインすることを出発点とし、鉄道好きの子供たちにアピールするものだ。

これに対して、人気キャラクターが先にあって、それが鉄道車両とコラボするという新しいパターンもある。これらは主に女の子を念頭に置いた展開。さほど鉄道に関心を持っていない層も取り込む狙いだ。代表的なものとしては、「リラックマ」とドクターイエローとのコラボレーションがある。

東京・お台場「ダイバーシティ東京」内の「駅鉄×ぷっちょ」

立誠社では、こうしたコラボグッズを通じて鉄道グッズをもっと一般に広め、ギフトなどにも使ってもらいたいとの意図もあり、2012(平成24)年に初めての直営店「駅鉄×ぷっちょ」を東京・お台場の新施設「ダイバーシティ東京」内にオープンさせた。

ただ企画段階では、鉄道グッズだけの店を駅以外の場所に設けることに対する不安があり、UHA味覚糖のお菓子「ぷっちょ」とコラボしたショップとなった。しかし、蓋を開けてみると順調に推移。鉄道にはやはり潜在的な力があったと同社が再認識するに至っている。

「のぞみ」から引退し、山陽新幹線専用になっても500系のカッコ良さは変わらない

マンパワーの面でも、元鉄道アイドルで現在は2児の母として「ママ鉄」を名乗る豊岡真澄さんを企画・営業プロデュースに招き、深い鉄道知識と消費者の発想を取り入れる試みを行っている。豊岡さんは鉄道ファンからの高い支持を受けているのみならず、生活者としての視点も持つことからの招聘で、鉄道とファミリーの橋渡し役として期待されているようだ。

JR各社も、最近は新幹線電車が持つキャラクター性の高さに大いに着目している。少子高齢化で子供の数が減っている時勢とはいえ、鉄道好きを育て、将来の顧客となることを願う、いくつかの取り組みを行っている。たとえば、JR西日本の500系は、営業運転における最高速度時速300キロメートルを達成したことと、そのスタイリッシュなデザインから、山陽新幹線の「こだま」に転用された現在でも非常に人気が高い。

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