このことを、消費者物価指数の品目別価格指数の90年と2009年の対比でみると、次のとおりだ(下図も参照)。総合指数は6・6%上昇した。下落したのは「財」であり(1・4%下落)、「サービス」は16・2%上昇した。
この期間で指数が下落したのは、財・サービス分類指数のうち、次のものだけだ(以下、数字は下落率)。生鮮食品以外の農産物(15・1%)、工業製品(3・6%)、繊維製品のうち大企業製品(9・8%)、食料、繊維、石油製品以外の工業製品(22・1%)、右のうち大企業製品(29・0%)、運輸通信関連サービス(2・8%)、コメ類(16・5%)、耐久消費財(45・5%)、大企業製品(13・9%)。
他方で次のものは、同期間中の指数の上昇率が10%を超えている(以下、数字は上昇率)。食料工業製品(10・9%)、食料工業製品のうち中小企業製品(17・8%)、石油製品(11・4%)、出版物(30・4%)、公営・都市再生機構・公社家賃(13・4%)、医療・福祉関連サービス(51・9%)、教育関連サービス(42・5%)、一般サービス(18・7%)、外食(15・7%)、民営家賃(11・2%)、持ち家の帰属家賃(18・2%)、他のサービス(22・2%)、家事関連サービス(21・9%)、医療・福祉関連サービス(68・5%)。
右に見た品目別の価格動向の著しい違いは、「デフレ」と呼ばれている現象が、国内的な需要不足のために生じたのではなく、世界市場の条件で生じたことを示している。